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2015.1.20発行

勝手に読書

vol,20

勝手に読書伝説

神さまの言うとおり弐

Special Interview 2

藤村緋二

恐怖や緊張、ときに安らいだ表情も見せる高校生たちはイキイキと、異形のものは底知れぬ不気味さをまとって描かれている『神さまの言うとおり』シリーズ。作画の苦労をはじめ、この作品だからこその創作秘話を作画担当の藤村緋二先生に伺いました。

Profile

ふじむら・あけじ/2011年に『神さまの言うとおり』でデビュー。現在『週刊少年マガジン』にて連載中の『神さまの言うとおり弐』で作画を担当。

漫画を描くとき読者さんのことをすごく考えるようになりました

神さまの言うとおり弐

▲デスゲームのひとつ、〈どきょうそう〉は、○×クイズを誤答しても、順位がビリでも『死』が待っている。知力・体力・運がそろっても勝てるとは限らない!?

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――『神さまの言うとおり』の作画を担当することになった経緯を教えてください。
藤村 当時の担当さんがコピー機の隣に置いてあった金城先生のネームを読んで、このネームに合う絵は僕だと思ったから声をかけた。と聞きました。
――原作の金城宗幸先生とのやりとりを含め、原稿が完成するまではどんな手順なのでしょうか。
藤村 ①金城先生が担当さんと一緒にネームを作る→②そのネームを僕含めみんなで読み合わせして注意点など、細かい演技指導をする→③ネーム、演技指導をもとに下絵を描く→④担当さんと金城先生がその下絵をチェック→⑤問題なければペン入れ、仕上げ。という工程を経て原稿完成です。
――最初に『神さまの言うとおり』の原作(プロットなど)を目にしたときの感想を教えてください。
藤村 今まで読んだどの漫画よりも衝撃をうけました。読んでいる最中ずっと口が開きっぱなしだったのを覚えています。同時にものすごいプレッシャーを感じました。
――『神さまの言うとおり』で、キャラクターを造形する際、すんなりとできあがったキャラクターは誰ですか?
藤村 だるま、招き猫、こけし……。基本的にゲームのオブジェになるキャラは、毎回割とすんなりと出来上がる印象です。人物だと、奥平(おくひら)さんかな(笑)。
――また、難産だったキャラクターはいますか?
藤村 高畑瞬、天谷武ですかね。この二人には思い入れも強いです。
――同様に、『神さまの言うとおり弐』キャラクターを造形する際、すんなりとできあがったキャラクターは誰ですか?
藤村 丑三と原海(はらかい)です。
――難産だったキャラクターは誰ですか?
藤村 明石、涙(るい)、ナツメグです。
――『神さまの言うとおり』『弐』ともに、メインキャラクター以外にも数多くの高校生が登場しますが、描き分けなど作画の際に気をつけているのはどんなことですか?
藤村 モブキャラが突然主要メンバーの一員になっても大丈夫な様には意識しています。
――様々な敵キャラクターに関してはいかがでしょうか。
藤村 敵キャラに関してはたくさんありますが、金城先生が以前「パチンコの仕掛けになったら面白そうな感じにしてください」とおっしゃっていて、妙に納得したのを覚えています。仕掛けがある感じと、無機質な感じと、人を冷やかす様なふざけている感じ、それに加えて、なんだかわからない恐さをうまく出せる様に意識しています。
――『神さまの言うとおり』『弐』を通して、描きやすいキャラクターは誰ですか?
藤村 明石、原海、柘植ちゃんです。
――反対に、描きにくいキャラクターは誰ですか?
藤村 丑三、やえちゃん、ナツメグです。
神さまの言うとおり弐

▲第弐部で、主人公・明石たちが生き残りを賭けて挑んだ試練のひとつがジャンケン。シンプルなゲームながら、数々のドラマを生み出した。

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――個人的に、描いていて楽しいのは誰ですか?
藤村 瞬、天谷、かみまろ。
――掲載誌が変わり、『神さまの言うとおり弐』を始める際、作画に関して何か意識したことがありますか?
藤村 まだまだ勉強中でそんな余裕ないです。もっと上手くならなきゃって思ってました。
――『神さまの言うとおり』『弐』ともに、いろいろなデスゲームが登場しますが、絵にするのが難しかったゲームはなんですか?
藤村 招き猫、すなとり、鬼退治、空中ケンパ。基本的に弐部の方が難しいです。
――逆に、描いていて楽しかったゲームはなんですか?
藤村 だるま、どきょうそう、ぜつ棒倒し、7×7不思議、ジャンケンは特に勢いがあって描いていても楽しかったなぁ。
――これまでに描かれたエピソードのなかで、特に印象深いエピソードとその理由を教えてください。
藤村 たまにある、キャラクターの過去を描く回が面白いですね。特に原海と丑三と涙が印象的です。
――先生ご自身が驚いたり、予想だにしなかった展開がありましたら教えてください。
藤村 毎週ネームを受け取る度に度肝を抜かれてるので、挙げ始めるとキリがないです。ごめんなさい!
――この作品を描いていて楽しいのはどんなところですか?
藤村 心から面白いと思いながら毎日作画できるところです。分業してる分、そこが1番のモチベーションだったりします。
――難しいと感じるのはどんなところですか?
藤村 バスケ描いたり陸上描いたりラップ描いたり……。いろんな専門分野を、キャラの数だけ描かなきゃならないところですかね。
――この作品だからこそ、描くときに気をつけている点、大切にしている点がありましたら教えてください。
藤村 テンポの良さと表情をテンプレ化してしまわないように、特に意識して気をつけています。
――これからの『神さまの言うとおり弐』の見どころを少しだけ教えてください。
藤村 すべての謎が解き明かされる日も近い!! 乞うご期待!(正直読者の方より1?2週早く先の話を知ることができるだけで、この先どうなるかは僕も知りません。僕も期待しています!)
――金城宗幸先生へエール、メッセージなど何か一言お願いします。
藤村 金城先生が僕の前に現れてから、僕の退屈が終わりました。でも、そんな今が死ぬほど幸せです。あざす。

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一番やりたい場面を頭に描いてそれに向かって作る

自分だけで漫画をつくるのは難しい

神さまの言うとおり弐 コミックス情報

  • 神さまの言うとおり弐(1)を読む
  • 神さまの言うとおり弐(2)を読む
  • 神さまの言うとおり弐(3)を読む
  • 神さまの言うとおり弐(4)を読む
  • 神さまの言うとおり弐(5)を読む

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©金城宗幸・藤村緋二/講談社

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