作品内容
「人工物の科学はいかに可能であるか」
本書『システムの科学第3版』はハーバート・A・サイモン(HerbertAlexanderSimon)著“TheSciencesoftheArtificial,ThirdEdition”(MITPress1996)の日本語版であり、付録として、サイモン教授のノーベル賞受賞記念講演「企業組織における合理的意思決定(RationalDecisionMakinginBusinessOrganizations)」も収録しています。
本書は、人間の作り出した有体物のみならず組織や社会といった人間が作り出したものすべてを含む人工物の科学、人工システムの科学について述べられ、経済学・認知心理学・工学的デザイン論など広範な領域に関する議論を通して人工物の科学、ひいては「文明構築の論理」はいかなるものかを明らかにしていきます。サイモン教授が個々の領域であげられた数々の研究成果がふんだんに盛り込まれた1冊となっており、今なお多くの支持を得ている名著です。
なお、第3版では、2版発行以降にみられた重要な進歩に考慮を加え大幅改訂し、「複雑性」に関する新章を書き下ろし増補したものとなっています。
目次
日本語版(第3版)への序文
日本語版(第2版)への序文
第3版序文
第2版序文
1自然的世界と人工的世界の理解
2経済的合理性:適応機構
3思考の心理学:自然と人工との結合
4記憶と学習:思考に対する環境としての記憶
5デザインの科学:人工物の創造
6社会計画:進化する人工物のデザイン
7複雑性に関する諸見解
8 複雑性の構造―階層的システム―
付:企業組織における合理的意思決定(ノーベル賞受賞記念講演より)
参考文献
訳者あとがき
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