作品内容
ホテルの部屋に入り、交互にシャワーを浴びた後、奈美恵は息が止まるほど驚いた。胸から腰にバスタオルを巻いた姿で、ベッドに入った時である。「ラッキーだな。課長の奥さんとやれるなんて」ヒロシが、奈美恵の身体からバスタオルを取り除きながら、含み笑うような口調で呟いたのである。「何ですって……!」愕然となって奈美恵はベッドから跳ね起きようとした。その身体を、ヒロシが素早く押さえ込んだ。「去年、一度会っただけだから、ぼくのことなんか忘れちゃってるんでしょう」ヒロシの唇が、奈美恵の耳たぶから首筋へと這う。「あ、あなたは……どこで……」――と、思い出した。『課長の奥さん』と言う彼は、夫の部下ということになる。
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