弓道家の家に生まれた双子の兄弟・雅と東。しっかり者の弟・東は、弓の才能以外の生活力を持たない兄の雅が心底大好きで、家でも大学でも嬉々として世話を焼く毎日を送っています。東の『好き』はいまや兄弟としての気持ちをすっかり超えていて、同じベッドで眠る雅に即ムラムラしちゃうレベルの熱烈さ。そんなわけで出来心からえっちなイタズラを仕掛けてしまったが最後、もう誰も彼を止められない！ナニをされてもまったく起きない雅の寝汚さに乗じるように、東は毎夜のように兄の身体を弄んでしまうのでした。
道場の外ではひたすら天然ドジっ子な雅ですが、恋愛についてあまり深く考えていない模様。でも、彼って本当に天然なのでしょうか。じっくり観察していくと、どう見ても東に面倒を見てもらいたくて仕方がない甘えん坊お兄ちゃんにしか見えないのです♡
天使なのか策士なのか、恋なのか兄弟愛なのか――雅の本当の気持ちが明らかになるラストはとにかく必見です！

豊樹が高校で出会ったのは、そっくりな美形の双子・ハルとユウでした。親ですら見間違えるという2人を何故かあっさりと見分けてしまう豊樹を気に入った双子は、彼を構い倒して仲良くなるのですが……。
場面は一転して、双子の片割れのお葬式の場に。ショッキングな形で始まったこのお話には、双子と豊樹のかけがえのない思い出と密やかな愛情が美しく描き出されています。入れ替わりのイタズラを豊樹に言い当てられてから、ぱったりと同じ髪型を辞めた双子。2人を難なく見分ける豊樹の存在は、双子にとって救いだったのでしょうか。それとも苦しみだったのでしょうか。
淡々と進む物語には無駄なコマがひとつもなく、ラストPまでずっとその完成度の高さに圧倒されずにいられません。何度も読み返しては噛み締めたくなるほど、心に残る作品です。

勝輝と大輝、そして渚と翼という2組の双子が登場する作品。勝輝は大柄な弟より背が低いことをコンプレックスに感じつつ、そんな自分の個性を認めてくれる翼に密かに惹かれています。翼は渚と瓜二つの美形双子なのですが、それだけに優秀な渚に比較され引け目を感じるのだと勝輝に語っていました。例え学園のプリンスと呼ばれる存在であっても、その人なりの劣等感があるというのはひとつの真理かもしれません。
そんなある日、勝輝が目撃してしまったのは大輝と翼のガッツリ目なラブシーン。コンプレックス持ち同士の共感から翼に恋していた勝輝のショックは大きなものでしたが、彼の『一番近くて似た存在だけに違いが気になってしかたがない』気持ちはどこか分かるような気がします。
双子はもちろんのこと、兄弟姉妹を始めとした家族に対してこうした複雑な気持ちを持つ人って、実は案外いるのでは。誰もが共感できる『家族だからこその愛と悩ましさ』を、優しく温かなラブコメストーリーで描き上げた1作。心を温めたい夜にオススメです。

『三角関係BL特集』でもご紹介した双子オメガバースBLの名作が再登場！　借金を抱えたオメガの斗和は、セレブでオメガのイケメン双子と期間限定の主従関係を結ぶことに。斗和を双子が愛でる絡みシーンがあまりに美しくてえろ過ぎて、さては森世先生は天才だな……!?
やがて斗和の借金問題も片付き、このまま3人のめくるめくハッピーラブラブ生活が……と期待したのも束の間のことでした。うなじに同じ咬み傷を持つ誠司はアルファ、愛司はオメガの性を持ち、少年時代から番として結ばれている関係だったのです。
男性同士の恋などさして珍しくないオメガバースの世界でも、双子の兄弟が結ばれることは忌み嫌われるタブーとして描かれる世界観。親にすら認めてもらえない絆を守るため、2人の世界に籠もり続けてきた誠司と愛司のいいびつな愛の形を、斗和は受け止めることが出来るのでしょうか。感動のラストを見届けた後、絶対にもう一度読み返したくなる神作です。

1人で暮らす高校生のムギは、隣に住む優しいイケメンサラリーマンの伊代に片思い中。優しく声をかけてくれる伊代に恥ずかしさのあまりまともに返事も出来ないまま、悶々とした気持ちを抱えていました。
そんなある日唐突に、イケイケ攻め様に豹変した彼に迫られることに。まさかの強引なキスに動揺しまくるムギですが、お察しの通りこの攻め様の正体は伊代の双子の兄弟・紀代なのでした。分かっちゃいるけど萌えずにはいられない、双子キャラの鉄板展開来たーっ！　ゴチになりまっす♡
包容力のある大人な伊代と、欲望に正直で圧が強い紀代。双子のどちらもに溺愛されるハッピーな展開だから、3人が愛し合うのもえっちとかじゃなくて、ほっこり心温まるシーンなんですよね……すいません素直になります。がっつり目の3Pハードエロスが神ってるからとにかく読んでーッ！

なりゆきで助けた同じ大学のイケメン双子・優と秀に気に入られてしまった、平凡な学生・冴。お礼と称してHな奉仕をされてしまうものの、必死で拒否する姿が『おもしれー男』認定されたのか余計に懐かれてしまうのでした。とにかくまずは見てください、双子ちゃん達の顔が……顔が良いっ！確かにそっくりなのに何処かに個性を残している、キャラクターデザインの妙に痺れます♡
軽～い態度とは裏腹に、双子それぞれの冴への想いは強まるばかり。彼らの繰り出すエロスなイタズラに翻弄されまくる冴が色っぽくて、もっとやれ！　と拳を握りつつもキュンと来てしまいます。
双子ならではのライバル心と絆から生まれた混沌の後に、普通の三角関係とはひと味違った怒涛の結末まで一気に駆け抜ける人間ドラマは見応え十分。読後感も興奮も最高潮な結末を、絶対に見届けてみて。

同じ学校に通う双子の郁朗と朱也。かつてはべったりと懐いていた朱也ですが、とある事をきっかけに兄から離れてしまっています。同じ家で暮らして口も聞かないような関係って、存在だけでもかなりのストレスになりそう。優等生の郁朗に対して朱也は落第スレスレのチャラ生徒に見えているのですが、その姿は彼の演技だったのです。
一緒に生まれて何かと比較されるだけに、双子の関係とはより難しいものなのかもしれません。当初は何もかも勝っている郁朗が弟に感じていた優越感が、朱也の態度の変化によって次第に追い立てられていくドラマの緊張感はそれこそ、双子の物語ならではのものでしょう。朱也が兄の弱みを的確に察してじわじわ追い詰めていけるのも、不思議な絆で繋がっているからこそ出来る技だったのかもしれません。
よく似た双子同士のカラダと心の距離とが裏腹になる関係の行く末が気になって、一度読みだしたらラストまで駆け抜けずにはいられない作品。丁寧に描かれる心情と叙情的なエロスに撃ち抜かれてみてください。

本作で描かれるのは、二卵性双生児の千之助と一之介の兄弟です。人の心を読む不思議な能力を持つ千之助ですが、力を使い一之介に嫌われることを恐れて封印しています。チート能力なんてなくても、おおらかイケメンで面倒見のよい千之助は十二分に魅力的なのですが♡
ページいっぱいに描かれる、女子を含めた仲良しクラスメイトたちとのわちゃわちゃな青春がもう愛しくて可愛くて、思わずコマの隅々までチェックしたくなっちゃいます。物語のあちこちに散りばめられた言葉の一つひとつが煌めくたびに、『あ、声に出したい日本語ってコレだ……！』と納得せざるをえないのです。
めちゃくちゃモテるけれど分かりやすく一之介一筋な千之助の傍らで、一之介の方はどうにも煮え切らない態度のまま。想いをぶつける千之助に、彼はどんな答えを出してくるのでしょうか。勢い良すぎる物語の波に乗っかって、『あの懐かしい青春の日』にあなたもザブンと飛び込んでみて！