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裏社会に蠢く男と男のハードな駆け引きと恋模様! アウトローBL小説特集!

生々しくも奥行きのある世界観の中で描かれる、影の男たちのアブない迫力。アウトローキャラが活躍するBL小説には、ここでしか得られないリアルな興奮という名の栄養がある……! 今回はお待ちかねの『アウトローBL小説特集』! 厳選されたこの4作はどれもが、裏社会を生きる男と男の愛憎と執着をがっつり描いたオススメ作品ばかり。ハードボイルドな世界観に浸りまくる至福の一時を、アナタもどうぞご賞味あれ!

  • 空

ヤクザと少年の禁じられた遊び。もう、一緒でなけりゃ生きられない。

ポイント

小柄ないじめられっ子の中学生・路彦と、短気で単純なヤクザの三下・信二。本来なら出会うはずのない2人の運命が、ある事件をきっかけに交差するところから物語が始まります。深夜の教室の窓から飛び降りた女子学生の謎。級友から執拗に続く路彦へのイジメ行為。厳しい父母から与えられる重圧。平凡な中学生に過ぎなかった彼を取り巻くすべてから逃げ出すように、路彦は信二との関わりに救いを見出していきます。そんな純粋過ぎる路彦を当初は適当にあしらっていたものの、信二もまた次第に彼を大切に思うようになるのでした。
 ピュアっ子中学生が悪いオニイサンにたぶらかされる系のお話ですから、そりゃもう当然のように『えっちな手ほどき』展開を期待しますよね。ご安心ください、直球が来ます!しかも信二は本来女性が大好きなどノンケ男なので、いくら可愛くてもオトコである路彦の扱いが非常に雑。だがそれでいい、『それがいい』のですよ~。年は離れていてもお互い男同士だからと素を見せ合って、無遠慮にじゃれ合う2人の距離感の尊みが深すぎるのですっ。そしてこれは10年後へと時が移る後編に向けた、めくるめく下剋上展開への布石なのであった……!
 攻め受けが逆転するいわゆる『リバ』展開には、どこか身構えてしまう読者さまもおられるかもしれません。でも、この2人はもう攻め受けという既成の概念を当てはめるより『路彦』と『信二』でしかないと、後編へ突入したころにはきっと思うはず。どっぷりガッツリ描かれる濡れ場もさることながら、極限まで2人を追い詰める裏社会のストーリーも本格的に深掘りされて、エロスと読み応えのすべてに大満足出来る神作なのです。

 

やんちゃ組長をサンドで愛でろ♡ 道を極めた溺愛トライアングル!

ポイント

タイトルの『三つ巴』という単語が暗示するように、極上のヤクザ3Pといえばこの作品といっても過言ではない! しかもタダの三つ巴ではありません。身分の上下関係が絶対のはずの極道世界を舞台にしながらも、受けになるのは若き組長・辻。とある理由からルールを決め行われている秘事において、攻め2人にトロットロに溶かされてしまってる俺得展開には……昂ぶらざるを得ない!
 有能だけれど女たらしが玉に瑕な辻は、若い頃からの叩き上げで小さな組を任されるようになった男。組員たちには尊敬されライバルには煙たがれている、典型的なヤクザ屋さんです。少しでも腹が立つことがあれば舎弟の菊池の腹をノータイムで蹴り上げる狂犬っぷりは、まさしくそのスジのお方のソレ。なのにひとたびベッドに倒れ込めば、組の顧問弁護士の財津とその甥である菊池にすべてを暴かれカラダを開発されまくりというギャップ萌が激アツなんですってばー!
 当人は一風変わったセックスをクールに楽しんでいるつもりですが、その実すっかり快楽の虜になってズブズブとハマっていくばかり。それでも辻は、そんな自分をどこかで冷静に受け入れているのです。どんなにハードなプレイでも折れることのない、男としての誇りと矜持にゾクゾクとさせられます。だからこそ屈服させたいし、だからこそ屈服してほしくない……。周囲の野郎どもがこぞって彼に心酔するのは、美貌のせいばかりではないとわかりみが深すぎる。『漢(オトコ)の世界』、私の大好きな言葉です♡
 こうした爛れまくりの関係と並行して、新興詐欺グループに苦しめられる純朴なハーフ青年と辻の交流も描かれていきます。青年との関わりから幕を開けた物語がやがて思いがけない展開に繋がっていく頃には、極道世界を舞台としたサスペンスとしての読み応えに唸らされるばかり。エロスと感動で心震える圧倒的なラストまで、一気に駆け抜けてみてください。

 

極道×カワイイは成立するのだ!? 不器用強面ヤクザと子育て大作戦

ポイント

新人刑事の新は『新伍』という偽名を使い、ヤクザの下っ端を装いながら『明興組』へ潜入捜査中。そんなある日突然連れていかれたのは、次期組長となる若頭・辰馬のマンションでした。初めて会った辰馬の人並み外れたイケ男ぶりに仰天させられた挙げ句に、新伍はそのまま小さな双子の世話を住み込みでするように命じられてしまいます。危険を避けるためほとんど家から出られない子どもたちを前にして、お人好し男子の母性本能が火を吹くぜ!?
 四歳の涼真くんと海香ちゃん、そして何より辰馬のワガママに振り回されながらも、あっという間に情が移って面倒を見てしまう新伍の生真面目さにほっこりします。刑事としての本来の仕事は組の内情を探るスパイ活動のはずなのですが、繭の中のような優しい『家』の中で辰馬達と過ごす日々は、まるで本当の家族のような温かさ。新伍がほだされてしまったように、当初はクールを気取っていた辰馬の態度も加速度的に優しくなっていくのでした。そんな最中に起きた軽いボディタッチから即恥じらいで涙目になるなんて、新伍の貞操が無事に済むわけないのです。刑事なのに意図せぬ誘い受けがえっちすぎない?
 そもそも警察が探ろうとしている明興組の秘密とは何なのか。そして双子の本当の母親は一体どこに? 新伍と読者になかなか明かされない謎が気になりつつも、デレてからの辰馬の溺愛スパダリっぷりがやばすぎる! これでもかという甘々度に悶絶しようぜ♡ そう、我々は人がガチ恋に堕ちる瞬間を目にしているのだ。スリルとカワイイをてんこ盛りに味わえる、楽しい1冊を推して参ります!

 

復讐なのか、執着なのか。極道世界へ堕ちた男の殺伐愛

ポイント

アウトロー物の人気シリーズ「DEADLOCK」の作者、英田先生の初期作となる作品をご紹介! 裏金融で借りた借金のために見知らぬ相手を襲撃しろと命じられ、無理やり拳銃を持たされた加持。指定された標的とは、学生時代の男の恋人で今はヤクザの幹部となった湊なのでした。
 お互い惹かれ合っていたのにすれ違い傷つけあった過去から10年が経った今、これ以上ない形で運命的な再会を果たした2人なのですが……って、いくらなんでもこんな状況ってアリですか!? 年を経て渋みを増した男盛りの湊に対して、すっかりうらぶれてしまった加持の惨めさが際立ってしまうばかりの序盤からしばらくは、悲しく苦しい展開が続きます。互いを憎み合う理由が明かされる前に湊が強いる行為は、もはや愛ではなくてガチの暴力にも見えてしまうほど。英田先生の原点とされるこの作品で既に溢れ出ている筆力に読者はまず圧倒され、打ちのめされてしまうのです。でも、ここでくじけてしまっては勿体ない。そう、訓練されたBL民の皆さまなら既にご存知のはずです。闇があるからこそ光が輝くように、重たい鬱展開の後にやってくる、お待ちかねラブラブ救済の美味しさときたら! 『これがあるからハード系BLはやめられない』と言っても過言ではないほどの、甘美な醍醐味ですよね♡ 
 本編となる加持と湊の物語に登場してくる、サイドキャラ達にもご注目ください。単なる脇役に留まらない血の通った人間臭さがとても魅力的なのです。加持達とは違った形で語られる、ヤクザとカタギの切なすぎる関係に涙腺崩壊せずにはいられません。読む時はどうかタオルのご用意をお忘れなくっ。

 
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