マンガ界において不滅の人気を誇る『メガネキャラ』萌えジャンル。とりわけBL界隈では、『陰キャラオタク・几帳面な優等生・デキるリーマン・イジワルな教師』云々と、メガネという小道具ひとつで幅広い人物描写を行えるせいもあってか、欠かせないアイテムのひとつとなっています。そんな訳で今回は、数字の並びがメガネの形を思わせる10月01日『メガネの日』、10月10日『目の愛護デー」にもちなんで愛しいBLメガネキャラが大集合。レンズの奥に隠された情熱の焦点に……アナタも萌え尽きてみないかっ!
- 君の知らない君に会わせて。眼鏡の奥で怯える心を癒やしたい…!
- お人好しメガネと困った性癖の凸凹愛。貴方が見つけた本当の自分を好きになる
- 魔法カード『メガネ』を発動! 自分を偽る仮面を外せ!
- 恋もいわゆるひとつの化学反応? メガネとメガネの青い春。
- レンズに隠れた暗い瞳に魅入られて…。嘘の得意な貴方の真実
- 昼間は子どもで夜中はメガネ。ゆるくて優しい不思議譚
- メガネをかければ見えるのか? あの日見えなかったお前の心
- 遊び? 本気? イジワルドSなメガネ教師に悔しいけど恋しちゃうっ…♡
君の知らない君に会わせて。眼鏡の奥で怯える心を癒やしたい…!
「セックスに面白みがない」と彼氏に言われてしまい、ショックを受けたサラリーマン・なつめ。相手を見返して復讐するために、プロのテクを学ぼうと男性デリヘルを家に呼びます。復讐計画のアジェンダまで壁に張り出す生真面目メガネ君ななつめがおもしれー男過ぎて、もうこの時点で好きにならずにはいられませんって。デリヘルキャストとしてやってきたのは、いつもなつめが家事代行を頼んでいる青年『コウ』でした。
普段の家事労働ではかけたままの地味メガネを外せば、ご覧の通りのワイルドイケメンに大変身しちゃうから……なつめも読者も大仰天なのです! なつめの懊悩をきちんと聞いて協力してくれるコウの優しさは傷付いた心を癒やしてくれますが、それは仕事としての優しさなのかと次第に気になりだすなつめ。そして床上手になってみせるという謎の復讐の行方は――。
コミカルに描かれ始まったお話ではありますが、やがて『セックスとは何なのか』を突き詰めて考えるきっかけにもなる素敵な作品なのです。
先行作「ワンダー・ボーダー」のスピンオフ作品。彼氏にフラれたばかりの夏朗に声をかけてきたのは、どこか元カレに似た雰囲気を持つ青年・梅雨彦でした。
几帳面そうなメガネをかけて市役所で働く生真面目な夏朗と、見た目通りのゆるふわ不思議ちゃんキャラな梅雨彦。まるで真逆なように見えてカラダの相性はバッチリだった2人ですから、出会って即のえっちも当然燃え上がりまくりなのです。『ベッドでは豹変する優等生メガネキャラ』からしか得られない栄養が、確実にここにある……!
トントン拍子に進むイチャラブが楽しい前半もさることながら、やがて梅雨彦が抱える歪みが明らかになってくる後半のストーリーにはますます引き込まれてしまいます。梅雨彦に真正面から向き合おうとする夏朗の誠実な愛情が、メガネの向こうから輝くように感じられて胸打たれる作品。やっぱり最後は愛しか勝たんのよね~!
黒縁メガネなクソダサオタク時代の苦い記憶を打ち消すように、メガネを外しオシャレで軽いパリピ男として大学デビューを果たした孝太郎。身に染み付いたゲーオタは辞められず、またかっこいい彼氏が欲しいと熱望しつつも、ありのままの自分をさらけ出す勇気を持てずにイマドキのストレート男を必死に演じています。やめろその攻撃は私に刺さる……!
BL民の皆さんなら、世間体を気にして好きなものを好きと言えない孝太郎のもどかしい気持ちをどこかお分かりいただけるのでは。だからこそ孝太郎の必死の演技は面白くもどこかホロ苦くて、心の底から応援したくなるのです。家で素のオタクに戻ったとたんいつもの黒縁ダサメガネを装着するのが、あるある過ぎるよ~!
そんな彼の前に現れたのが、トレカの大会で優勝するほどの腕を持つ剛のオタク・田中氏なのでした。オシャレじゃないけど最高のオタ友な彼の熱烈アプローチに翻弄されつつも、イケてる彼ピの夢が捨てられない孝太郎。まるでカードゲームのようなめまぐるしい2人の攻防戦を、手に汗握って楽しんでみて。
『全員メガネの化学部』部員な鮎喰と佐古。実験と称して「付き合おう」と言う佐古に押し切られるように恋人同士となった2人の、行きつ戻りつな甘酸っぱ~い恋を描いた物語です。
「いつか来る本番に備えた練習だから」と意地を張りながらも、友達から恋人になったふたりの『初めて』を1つひとつ重ねていくのが……可愛くて切なくて心強くて情緒が行方不明にならざるを得ない!新井先生アナタが神か……!
鮎喰と佐古以外の登場キャラもほぼ全員メガネという点も、フェチ的に非常にクるものがございます。2人が交わすメガネ同士のキスやセックスについての考察がリアルで笑えて尊みが深すぎて、肝心な時にしか役に立たない最高の豆知識になりそう。切なさ乱れ撃つ『メガネDKの青春』。これこそ声に出して推したい日本語……!
2018年にドラマ化された注目作が登場。知的な黒縁メガネが妖しくも艶っぽい作家の木島は、ある日大学生の久住と衝突して腕を骨折してしまいます。慰謝料代わりとして久住に口述筆記を手伝わせるのですが、木島の作品とはまさかの汁だく男女エロ小説なのでした。やだ……もうこの時点でキテるのでは……!
浮世離れした木島のミステリアスな雰囲気に飲まれ、生々しい濡れ場の音読に興奮してしまう久住にわかりみが深すぎる。上級者向け過ぎるシチュエーションでも必死で自制心を保とうとする久住がまっとうな人過ぎて、彼を弄ぶ木島のエロヤバさがますます際立つのです。ははーんさては天才だな?
影を背負った木島と純情一途な久住の危うい関係から目を離せないまま、続編「續・ポルノグラファー プレイバック」、スピンオフ「インディゴの気分」に繋がる作り込まれた世界観に圧倒されます。これはもう、一気読みを推奨せずにはいられない!
昼間は子どもで夜中はメガネ。ゆるくて優しい不思議譚
大学生の小宮は古書店の2階に格安家賃で下宿中。大家のアラフォーメガネな『陽蔵さん』は無愛想だけどどこかモッサリと抜けていて、小宮も読者も放っておけない芸術点の高さをいきなりマークしてきます。無駄にデカくて野暮ったくて実は甘いものが好きなメガネのおじさんという至高の存在を、我々全人類で愛でていかねばっ。
そんな彼が不思議な力で子どもの姿に戻ってしまう神展開が来るからもうたまりません。ガワが少年のドジっ子無口おじさんなんて、良すぎて角度高めの幻覚なのではと頬をつねりたくなっちゃうじゃん!? 一生一緒にいてくれや……!
思わず店番と保護者として名乗りを上げ奮闘する小宮と一緒に、陽蔵さんを取り巻く不思議な神様の世界を垣間見るワクワク感も大きな魅力となる作品。何故か夜中のひと時だけ大人に戻る陽蔵さんのノーメガネ姿を見ちゃったら、心臓が無事で済むはずなくないですか!?
高校時代にひどい言葉をぶつけ離れてしまったバスケ部のチームメイト・雨宮と職場で再会した竹原。雨宮を傷つけたことを何度も繰り返し悔やんでいる反面、言われるまで相手に気が付かない矛盾がかえってリアルに20年という時間の流れを感じさせます。
高校生の頃は雨宮の気持ちの強さに怯んでしまった彼ですが、どちらもメガネをかけてスーツを着込み、それなりの立場を得て働く大人になった今の気持ちはかつてとは違うのか、それとも変わらないのか。捨てた竹原と捨てられた雨宮、過去に囚われたままなのは一体どちらなのか。
裸眼のバスケ部員だった高校時代とエリートメガネ×2の現代が交錯する中で明かされる真実に、それまでの疑問が氷塊する瞬間の快楽ときたら!思わずクセになりそう。ぜひとも最後まで見届けてほしいお話です。
遊び? 本気? イジワルドSなメガネ教師に悔しいけど恋しちゃうっ…♡
気になる女子への告白シーンに何故か居合わせて余計な事を言ってきた、イヤミなイケメンメガネ教師の志津がますます苦手になる碧。しかし何故か志津の方は碧を気に入ったのか、雑用係として事あるごとに呼びつけこき使うようになるのでした。
割りとヒドい教師だとは思うのですが碧も負けずにやり返しているので、結局この勝負はイーブンなのかな(笑)? イケメンドSなメガネ年上とツンツンやんちゃな年下とくれば、みんな大好き鉄板シチュじゃないですかコノー!
メガネ萌え、教師萌えに加えて『受けが一方的に振り回されているようで実は攻めの方も結構振り回されている』関係性に飢えてる民も間違いなく読むべき1冊。キザでイケズな態度を続けてきた志津が、碧の直球な気持ちに陥落する瞬間に見せるギャップに……是非とも悶えてくだされい!