「もふもふBL」…それは声に出して読みたい腐女子語。フサフサキュートな生き物とカッコ可愛い男子同士の恋の取り合わせは、癒やし×萌え×野性味の全部乗せ欲張りメニューですよね。今回はそんな「もふもふ」成分を合法的にがっつり摂取できる、珠玉のBL8作品をご紹介。ぐうかわアニマルが活躍するお話もあれば、ケモ耳キャラのラブストーリーにガチの獣人BL勢まで、いろんなもふもふ愛が大集合してます!
- 化け猫と人の運命の出会い。僕を生かした「物語」
- ここは癒しのBL王国!?ヒトも動物も恋する楽園
- もふもふ神と飛べない翼。これは出会い?それとも再会?
- 恋はルール無用のフリーダム。自分らしさは自分が決める!
- 黒くて渋くて気になるアイツ。まさかのカラスに片思い!?
- 狼族なんか怖くない。折れない兎男子の心意気!
- 一線超えた犬愛?兄弟愛?愛してるから無問題!
- 鋭い牙も大きなお口も、全部が優しい貴方といたい。
講談会に立ち寄った社畜サラリーマンの草太。講談師の顔が本物の猫そっくりに見えた瞬間、声を上げ失神してしまう。ヒトに紛れ生きる化け猫・喜八は自分の正体を見破った草太を雀と呼び、掟を守るため伴侶になれと迫るが――。草太が目撃した怪談みたいな猫人間姿から、リアルにゃんこのハチワレ猫にネコミミ装備のイケメン兄さんまで、変幻自在の喜八から目が離せません。おせっかいで図々しくて過保護でミステリアスな彼が、とにかくとっても魅力的。おっきな三角お耳を思いっきりモフモフしてみたい? 限界まで追い詰められていた草太が、不思議な化け猫ワールドに巻き込まれ救われるストーリーの温かい読後感に安心できます。戸惑いながらも喜八に癒やされ、トロットロに愛し愛される終盤は要注目!
動物がヒトの姿に見え会話出来るという不思議な能力を持つ、美術予備校生・栗原。彼がスケッチのため通う動物園でのんびり暮らす、色々な動物たちの恋を描いたオムニバス物語。ライオン同士のやんちゃな恋もあれば、世話焼きシジュウカラと内気なリスの種族を超えた小さな恋も。飼育員の七田を本気で愛するおじさんペンギンのビートは、ヒト形態でもペンギン姿でも健気そのもの。全力で推せちゃいます。私も年パス買ってこの動物園に通いたい☆ 誰かを好きになって大切に思う気持ちには、種族や住むところの違いなど関係ないということを、ヒトより彼らの方がよく知っているのかも。そんな動物たちの相談相手となっていた栗原にも、いつしか恋の予感が……? 優しいタッチで愛情たっぷりに描かれる、動物たちの幸福な毎日に癒やされてみてください。
空を飛べない神使・シンが仕えることになったのは、丸い毛の塊の不思議な神様。ふかふかとした特大マリモのようなその姿は、今回の特集でも最高のもふもふ度を誇ります☆ 大きな毛玉によじ登り梳かそうと奮闘するシンは、大変そうだけどちょっと楽しそう。これだけの毛量ならさぞかしブラッシングのしがいがありそうです。大きな口を開けて危険な「澱み」を食らう姿から、シンに「バク」と名付けられた神様。そのもう一つの真なる姿を実際に作品で見る前に、わがままボディな毛玉と澄んだ瞳からぜひとも想像してみて。……難題過ぎます? やんちゃなシンと優しい神様のいちゃいちゃタイムは、どんな姿でも尊みの極地でいいぞもっとやれ。読者の無限な萌えパワーだけは、さすがのバクにも食い尽くせないかも!?
本来強気でたくましいはずの犬系獣人・大上は、連れていかれた風俗ホスト店から逃げ出してしまうほど気弱な性格。獣人らしくない己を嘆く大上に、No.1ホストのカナメは「じゃあ抱かせて」と言い放ちます。衝撃を受ける大上に「一人前かどうかは自分次第で決まる、選ぶ権利は自分にある」と高らかに宣言するカナメが痺れるほどカッコよくて、こんなの惚れてまうやろ! 全身フサフサわんこな大上がこってりと愛されるHシーンも超ホット。「ヘタレでゴツめな獣人受」の尊さは、もっと知られるべきなのでは!? 続編のNo.2ホストのお話も切ない系かと思わせて、超神展開すぎです最高かよ……。エロとストーリーの妙ががっつり噛み合った、読みごたえのある短編集です。
なんでも屋を営む犬崎は、鳥の言葉が理解できてしまう特異体質の持ち主。嫌でも耳に入る鳥語をうっとうしいと思っていたけれど、不思議とかっこいいカラス・クロに出会い心惹かれるように。でもある時、大家の息子・充の声をクロと聞き違えてしまうのです。明るくてちょっとドジな犬崎に、口下手イケメン男子高校生・充が不器用アプローチを仕掛けているのを、知らぬは犬崎ばかり。嗚呼もどかしい~! 「カラスに妬く年下無口攻」という斬新ラブコメが爆誕してます。「鳥語が解るなんて誰にも信じてもらえるはずがない」と諦めていた犬崎と、充の今までの意味深な言動。その謎が解けるハッピーで甘~い大団円と初々しい触れ合いHを、最後まで見届けてください。
狼族なんか怖くない。折れない兎男子の心意気!
狼への嫁入り~異種婚姻譚~ もふもふ度:★★★☆☆
犬居葉菜
狼族名家の跡取り・錬に嫁入りさせられた、フサフサ垂れ耳の愛らしい兎族少年・楓。一月後の婚儀に備え「嫁体化」薬で体を開発されることに。「男を受け入れられる体にじっくり慣らされる」鉄板萌えシチュとはいえ、序盤の錬のクールを通り越した超事務的ムーブには、読者的にも少々イラっと来ちゃうかも。気持ちの通じない行為、というより作業は快楽どころか屈辱でしかなく、楓がかなり可哀想。でもご安心を! 見た目に反して負けん気の強い兎男子は、やられっぱなしのままじゃ終わりません。当初のツン態度があるおかげで後からやってくる甘々エッチの体感温度が上昇しまくりという、我々が大好きなアレなのです。犬居先生ありがとうございます、信頼できる……! スリリングな謎解きストーリーにも大満足できる一作。
職を失い妻と別れたばかりの浩也は弟・友也の家でヤケ酒をあおった翌日、何故か白い犬の姿に大変身! 夜中だけは人間に戻れるものの、これでは文字通りの「負け犬」だと落ち込みます。ところが、兄わんこを匿いながら可愛がる友也の愛が次第にエスカレートして……。
ペット扱いされるたびキレる浩也と、そんな兄をスキあらば全力でモフりたい弟のノリツッコミ漫才がとってもキュート。どうすればヒトの尊厳を取り戻せるのかと一応シリアスに悩む浩也ですが、溺愛されまくりのドッグライフも案外楽しそう。実はまんざらでもないのかも? わんこそのものの仕草がいちいちたまらん可愛さなのに、人間姿の兄ちゃんもけしからん色っぽさって、反則じゃないですか? どっちも独り占めの友也が羨ましすぎ!
鋭い牙も大きなお口も、全部が優しい貴方といたい。
食べないの? おおかみさん。 もふもふ度:★★★★☆
小石川あお
黒い豊かな毛皮に覆われた狼男・ウルへの生贄として、幼い頃捨てられた太郎。「君が大人になったら食べる」と言いながら、ウルは孤独な少年を舐めるように……本当に物理的に舐めて可愛がり、護り育てます。見てください、ウルのこの完璧なもふもふ紳士っぷりと来たら! 君たちどっちも可愛すぎか! 2人が暮らすのは、まるでおとぎ話の舞台のような幻想の森。お話が進むにつれ太郎の心身は少しずつ成長し、この小さな箱庭世界の秘密も語られていくのです。もう子どもではなくなった太郎と、いつだって彼を誰より愛するウルの物語の結末を見届けたなら、ぜひもう一度序盤から読み直してみて。ていねいに張り巡らされた伏線と、不思議な生き物たちの美しい描写をじっくり味わう至福の時が待っています。