軟派も硬派も格闘もグルメも推理だって楽しめる、まるで実家のような安心感!? ドラマ化ヒット作品を連発しながらマニアなニーズもがっつり満たす、ごった煮みたいな楽しさに満ちていた90年代の週刊少年マガジン。97年には日本一の発行部数を達成し、マガジンワールドはますます加速していきました。そんな黄金時代を彩った懐かしい8作品を振り返りながら、心に残る名場面を語りまくらせていただきます。あの感動に、笑いに、ときめきに、今すぐ再会したくなっちゃうこと間違いなし!
- 高校生探偵VS犯罪の天才の頭脳対決!ねじれた傀儡の謎を解き明かせ!
- 教育とは何なのだ…。よみがえれ!毒舌教頭の熱い教師魂よ
- ハートを射抜いたあの娘の笑顔。オクテな恋の必携バイブル♡
- 万里の長城が厨房に!?中華料理の頂点目指す天才少年の秘策
- お前―サッカー好きか?天才キャプテンが導いた勝利への道
- 記憶の断片が紡いだ真実!ルール無用の不良パワーで悲劇を止めろ
- 先手必勝の喧嘩デスマッチ開幕!浪速の快男児は恋のライバル!?
- 「ジュク(新宿)」と「ノガミ(上野)」の超人決戦!だからこそ博奕は面白え!
あの名探偵の孫・金田一はじめ少年が、警察をも欺く難解な殺人事件を解き明かす――「ジッチャンの名にかけて!」。絶海の孤島や雪山山荘、焼け落ちる吊橋に見立て殺人……これぞミステリー小説の真髄と言うべき舞台で次々に起きる事件の数々。金田一が関わった中でもひと際恐ろしく奇妙だった事件として、『魔術列車殺人事件』を挙げるファンは多いのではないでしょうか。
天才手品師の後継としてショーを行う奇術団の面々が金田一一行の眼前で次々に殺されていくこの事件こそが、20年後の金田一を主人公とした続編「金田一37歳の事件簿」まで至る因縁の宿敵『地獄の傀儡師』との記念すべき初対決となったのです。
金田一と幼馴染・美雪との息のあったボケツッコミ漫才やイヤミでキザな明智警視との応酬もさることながら、やはり一番の見どころはなんといっても地獄の傀儡師の在りし日(?)の姿。以降多くの凶悪事件の裏で暗躍し金田一を苦しめる黒幕になるとは到底思えない、意外な描かれ方を目に焼き付けておけば――あなたもきっと『傀儡師の挑戦』に勝利出来るかも!
「湘南純愛組!」の主人公・鬼塚の就職先は、型破りな担任教師!?
元暴走族でヤンキーだけにメチャクチャな行動が多過ぎる鬼塚先生ですが、大人に失望し問題行動を起こす生徒たちにはどんなに嫌がられようともとことん力技で寄り添っていきます。そんな彼を徹底して嫌い排除しようと画策するのは、神経質な教頭の内山田先生。破天荒な鬼塚に振り回されるストレスに日々苛まれ、ローン途中の愛車を何度も壊されてとロクな目に遭わない気の毒な役回りですが、実は彼こそがもうひとりの主人公とも言うべき存在なのです。鬼塚への辛辣過ぎる罵倒やポイズンに満ちた呪詛は、読者の腹筋を崩壊させることに定評あり。
そんな彼にとって大きな転機となったのが、生徒の1人・神崎麗美の失踪騒動でした。麗美の無事より保身を優先しようとした内山田は鬼塚に怒りのキックを食らったことで、教師としての自分を再度考え直します。そして彼がとった行動とは――。ギャグパートだけが内山田先生の真髄ではないと唸らされてしまう屈指の名シーンを、ぜひその目で確認してみてください!
初めて誰かを好きになった時の戸惑い。愛らしい姿を見かけただけで胸が高鳴るけれど、どうすればこっちを見てくれるのか分からない焦り。甘酸っぱいあの頃の気持ちを今も感じさせてくれる、伝説的ラブコメ作品の登場です。
恋の始まりから成就までをぎゅっと濃縮した1話完結のオムニバス形式は、スキマ時間に楽しむのにピッタリ。異世界には転生しないし突然のハーレム展開もありませんが、たった1人の好きな娘に何とか気持ちを伝えようと努力する初心な男子の頑張りは、いつだって90年代マンガの熱さに満ちています。
スタイリッシュなタッチで描かれるキュートでミステリアスなヒロイン達も、ただ告白を待つだけの恋をする他人任せな娘は皆無。自分に自信が持てずにいる主人公を元気づけてくれる明るさや、ふと見せる細やかな優しさ。時には自分から果敢にぶつかっていく勇気を魅せてくれた名ヒロイン達こそが、実は本当の主役だったのかも!?
天才料理人を母に持つ主人公・マオが中国料理界の頂点『特級厨師』となったその後、中国料理界に暗躍する『裏料理界』と、千年前に隕鉄から作られたと伝わる『伝説の厨具』をめぐり仲間たちと冒険を繰り広げる物語!
前作「中華一番!」から引き続き、食材もメニューも勝負のスケールも、とにかくでっかいことこの上なし。中国ならではの広大な大陸の各地方で生まれ進化した、個性溢れる本格料理が次々と登場します。マオが挑み文字通り『命』を賭けた料理バトルの中でも忘れることが出来ないのは、絶大なカリスマで裏料理界を支配する五虎星『入雲龍』カイユとの一戦でしょう。
『気』を込めた究極の『毒膳料理』で西太后暗殺を企む彼の野望を打ち砕くため、マオが繰り出した秘策とは――まさかの世界遺産ッ! 『万里の長城』そのものォ!? 日本人にもお馴染みのあの有名観光地を舞台に、黄金に輝く『母なる太陽球』を作り上げたマオの人知を超えた大作戦こそ、カイユのみならず読者の度肝を抜いた伝説の名勝負のハイライトとなりました。
どんな小手先の技を出したところで、こんなん勝てるわけな~い!と思わず納得の秘技を、ぜひともその目で見届けてくれッ!続編の「中華一番!極」も要チェックだぞ!
来ました青春サッカーマンガの金字塔!2022年放映開始のオリジナル続編アニメに向け、その原点をおさらいするのは今しかない!
天才スター選手・久保に憧れ掛川高校へ進学した田仲俊彦は、中学時代のチームメイトで名キーパーの白石、天賦のサッカーセンスを持つ秀才・平松と力を合わせ上級生たちに認められます。やがて休みから復帰した久保と共に、念願の県大会へと殴り込みをかけるのですが……。
まだまだやんちゃで幼さの残るトシに比べて、ドイツ帰りの久保先輩の大人びた魅力は出てきた時点で超高校級。後輩達を冷静な視線で見守り厳しく優しく導いてくれる、頼もしいキャプテンなのです。その圧倒的テクニックもさることながら、控えのメンバーまでのチーム全員を信頼し任せる度量こそが、彼の一番すごいところかも。そんな理想のセンパイが一か八かの大一番で見せつけた、超弩級の伝説とは……!?
誰もが息を呑んだ衝撃の場面を、もう一度プレイバックしてみて。
記憶の断片が紡いだ真実!ルール無用の不良パワーで悲劇を止めろ
サイコメトラーEIJI
原作:安童夕馬 漫画:朝基まさし
触れた物から過去の情報を読み取る“サイコメトラー”能力を持つ不良高校生・明日真映児が、志摩刑事とコンビを組んで難事件に挑む!
おぞましい猟奇事件やサイコな犯人との対決が多く描かれるシリーズですが、映児自身の仲間が関係した『サイレント・ボマー』事件は読者に鮮やかな印象を残しました。映児が少年時代を送った下町での、地上げ屋の執拗な嫌がらせが引き金となって起きた連続殺人テロ事件。これまでの犯人たちとは性質の違った手口や捜査の先を行く行動力に翻弄されながらも、たどり着いたのはあまりに哀しすぎる真相でした。トリックや犯人の正体そのものよりも、映児と彼の仲間たちが明かされた真実をどうやって受け止め、どんな選択をするかが真の見どころと言えます。映児たちが出した答えと、志摩が突きつけた大人としての答え。もしあなただったら――この事件にどんな答えを見つけるでしょうか。
このストーリーを基に生まれたスピンオフ作品「クニミツの政」も見逃さないで!
先手必勝の喧嘩デスマッチ開幕!浪速の快男児は恋のライバル!?
全59巻に渡る超人気長編がやって来た♡
学園ドラマからラブコメに空手格闘、果てはバンド結成と闇鍋みたいなワクワク要素で一杯の『コータロー』ワールド。90年代に描かれた『格闘スポーツ大会編』は、とりわけ手に汗握る興奮に満ちた名勝負のシリーズとなりました。
過酷な修行の末身につけた空手格闘術を引っさげた功太郎が準決勝で対戦することになったのは、大阪からやってきた気性の荒い不良番長・犬島剣兵。功太郎の上を行く喧嘩っぱやさとスケベ根性の持ち主なうえ、ややこしい恋の鞘当までが絡んで試合前から事態は収集不可能に。ルール無用の喧嘩殺法が飛び交う激戦のさ中には、功太郎が幼馴染麻由美への想いを匂わすシーンも登場!?双方の限界を超えた技と勝負への情熱が凄まじくも清々しい、世紀の名勝負となりました。心底楽しそうに殴り合う功太郎と剣兵を見ていると、どちらも負けてほしくなくって困っちゃう!
「ジュク(新宿)」と「ノガミ(上野)」の超人決戦!だからこそ博奕は面白え!
哲也~雀聖と呼ばれた男~
原案:さいふうめい 漫画:星野泰視
作家・色川武大(阿佐田哲也)の自伝をモデルとした、戦後復興期の天才雀士・哲也の生き様を描くギャンブル漫画の金字塔。トレードマークの黒シャツを身にまとい、新宿闇賭博の玄人(バイニン)として名を馳せた哲也ですが、彼の勝負の中でもとりわけ強く記憶に残ったのは、やはり最強にして最後の好敵手、上野の博徒・ドサ健との対決でしょう。
賭場の縄張り争いに始まった2人の因縁。時に共闘することもあれば、容赦なく相手を地獄の崖っぷちまで追い込むこともありました。戦うたびに勝負師としての魂を共鳴させてきた2人が終盤に繰り広げた麻雀三番勝負の死闘こそが、物語最大のクライマックスとなったのです。仲間を、仁義を、人間性を捨てて挑んだ最後の大勝負。玄人はどうして博奕を打(ぶ)つのか――。
記録は残らず評価もされない意地の張り合いのために、彼らが人生を賭けてまで挑むのは何故なのでしょう。ヒリつくような勝負の瞬間にだけ、生きている実感を得ることが出来る――そんな勝負師たちの生き様を刻んだ名作から、答えを見つけてみてください。