5人の同級生から執拗なイジメを受けていた漆間俊。おぞましいリンチ行為の果てに尊厳だけでなく家族まで奪われた少年の、孤独な復讐劇が4年後に幕を開ける――。
守られるべき子供時代にあらゆる苦しみを一身に受けてしまった主人公。彼の怒りと悲しみの前にはどんな慰めも意味を持たないのでしょう。祖父に叩き込まれた殺人術を駆使して淡々と復讐のタスクをこなしていく俊には、恐ろしさと同時にある種のカタルシスさえ感じてしまいます。
かたや高校生となった俊の学校生活には、少ないながらも親しく関わる人たちが存在しています。殺しに手を染めた俊がこのまま平穏に生きていけるはずもなく、時折入るラブコメめいた展開との落差とこの先の破滅を思うと、胸がかきむしられる見事な演出。本望が果たされるその時まで、どうしたって見届けずにはいられないのです……！

治安最悪のゴッサムシティを舞台に、巨悪と戦う孤独なヒーロー・バットマン。その最大の宿敵である人気ヴィランのジョーカーが、ひょんなことから赤ちゃんを抱えワンオペ育児に勤しむなんて――何がどうなってるんです!?
さっさと「いくらなんでもキャラ崩壊が過ぎる」と突っ込めだって？そんな常識的かつ甘ちゃんな考えじゃあ、この修羅の街で生き残れやしないぜ！HAHAHA！　思わず高笑いしたくなる見事な原典リスペクトっぷりに、アメコミファンも大・注・目♡
支離滅裂に見えて計算高い悪の帝王らしく、赤ちゃんにも細やかな心遣いで接しているのが微笑ましい限りなのです。ジョーカーと一緒にリアルなワンオペ育児の苦労を味わった後は、ゴッサムでも現実世界でも育児に悪戦苦闘している皆さんにとってもっと優しい世の中であってほしいと、心から願わずにはいられません。

記憶をなくし強い恨みと執念だけを持つ悪霊『怨』にとり憑かれてしまった女子大生のあさひ。人に仇なす亡霊を倒すことで怨の死の謎を探るため、恐怖のホラーバトルに巻き込まれる羽目に。彼女の肉体に乗り移った怨の残酷無残かつスタイリッシュなバトルは超必見シーン！
その一方で、何度も怖い思いをするうえ女子としてのプライバシーまで皆無なあさひが気の毒でたまりません。宿主の生活態度を見とがめ説教する怨はもはやユーレイというより口うるさいオカン的存在なのですが、よく見ると彼って結構イケメンだったり……するのかも？巻末のちょっとエッチなお楽しみＰも毎回大ボリュームで、お得感盛り盛りなのです☆
衝撃のラストから続く謎とスリルは、続編「終の退魔師 ―エンダーガイスター―＜無修正ver.＞」でさらにスケールアップ＆加速中！こちらもどうかお見逃しなく。

舞台となるのは、人が次々と恐ろしい化け物『壊人』へ変異する事件が起きた舞羽（ぶっぱ）市。怪異の力を宿しながらも正気を残した半壊人『ジャガーン』と化した警官の蛇ヶ崎晋太郎は、すべての壊人を倒す闘いへと身を投じます。
ムカつく相手に思うまま拳銃を「ぶっ放したい」という危ない欲望を、心の底にずっと抱えていた蛇ヶ崎。グロテスクなバトルシーンの残酷さよりもむしろ、殺戮の口実を手に入れて能力に酔いしれる彼の危うさに恐怖を感じずにはいられません。なまじ警察官としての正義感も人一倍持っているだけに、余計タチが悪い！
このままではいずれ心まで怪物となってしまいそうな蛇ヶ崎ですが、果たして人として踏みとどまることは出来るのでしょうか。ジャガーンの心の変遷と共に描かれる魅力的なサイドキャラクターたちの物語も、意外性に満ちていて目が離せません。

キザで謎多きリーダー岡島のもとに集うのは、ストーカーに苦しむ人を救う「ストーカー浄化団」。被害者からはお金を取らないボランティアと見せながら、加害者側をちゃっかり金ヅルにする正義の味方からは程遠い連中です。
自らを「クズ」と称する岡島の決め台詞通り、ストーカーを逆に追い詰めていく彼らの作戦は脱法行為のオンパレード。容赦ない制裁で二度とその気を起こさせないためとはいえ、手放しで褒められる行動とは言えません。言えませんが、「そこまでやるか！」の連続がたまらなく痛快なのです。こいつら推せる……！
一方で、ストーカー側の物語も細かに描かれます。極端な行動に出てしまった加害者たちもまた、心の弱さを持つ人間でしかないと知らしめてくれる人間描写の重層性にぜひとも注目したい作品。読み進めるほど、過去に登場したキャラクターを見つけるイースターエッグ的な楽しみも◎。

「カムヤライド」「ジャバウォッキー」を手掛けた久正人のデビュー作として、カルトな人気を今なお集める名作。舞台はおよそ百年前の上海。この世界観で既にハマりそうなダーク＆マニアック好きクラスタさんは、きっと読んで間違いなしのはず！
怪しげな娼館で働く少女・コリンの真の姿は、闇に蠢く蘇った死体――僵尸（キョンシー）を葬るべく戦う霊幻道士なのでした。普段は気弱なコリンが男の精を力に変え高揚（ふりき）った瞬間、妖艶で残酷かつ最強な超ヒロインが出現。仙術を駆使する道士コリンのセクシーでスタイリッシュな迫真バトルは、読んでるこちらも最高にアガります！
闘いが終わったとたんに普段の内気ちゃんに戻るギャップもたまらん魅力で、気が付けばコリン様に……抱かれたい♡

極貧生活のさなかで死に瀕し悪魔のポチタと一体となり、頭から巨大なチェンソーを出現させる不死身の『チェンソーマン』となったデンジ。謎の美女マキマに言われるままデビルハンターとして戦う彼の望みは富でも名誉でもなく、ささやかな人間らしい生活なのでした。
一般的な善悪の観念など学ぶ機会もなかったデンジは一見シニカルでひねくれた性格にも見えますが、実はとても単純で感情豊かな少年。不幸だった彼が報われる日がいつか来るようにと、読者としてはおおいに感情移入してしまうのですが……この作者、ドＳにも程があるのでは!?
デンジと彼を取り巻く人々を容赦なく追い立てる物語のスリルと恐怖と疾走感の前では、最後まで立ち止まることなど不可能なのです。世界の読者をたじろがせた驚愕の結末を、この機会に是非とも見届けて！

MARVEL社と少年ジャンプが禁断のコラボ！ ある時はヒーロー、ある時は金次第でヴィランにもなる超恥知らずでアメコミ界最悪の無責任男と名高い(!?)デッドプールが主人公。なぜか日本にやってきて大暴れしてるんですけど、ちょっ……これホントに大丈夫なの!?
偉い人に怒られない!?　どマニアックな少年誌ネタを連発しつつ、お馴染みの悪趣味な『俺ちゃん』ジョークが健在すぎてツッコミが追いつきません。映画で超有名な人気ヒーロー・アベンジャーズの豪華メンバーも登場するのですが、こんなん絶対ファンの皆さんにも怒られるやつだよぴえんだよ。
国境も版権もやすやすと超えて来襲したデップー怒涛の不謹慎ヤバネタに、どこまであなたの腹筋は耐えられるか。こいつぁ戦争だぜ……！