Twitter、LINE、FacebookにInstagram――ソーシャル・ネットワーキング・サービスはいまや、普段の暮らしと切っても切り離せない重要なライフラインのひとつ。SNS内での繋がりはリアルの人間関係と同じように、そして時にはまったく違った形で、人と人のドラマを生み出します。もちろん、マンガの中にも多くのSNSが登場していますよね。今回はその中でも、SNSそのものがキャラクターやストーリーに大きく関わる8作品を集めてみました。
- 隠れオタクは淑女のたしなみ?好きなものを好きでいたい!
- スマホを駆使する天才軍師!イイネを集め太平の世を創れ
- 写真もスタンプも盛れるけど、ホンネをつぶやくって難しい。
- 憧れの人になりきったら大炎上!私一体どうすべき?
- バズリまくりのお取り寄せ達人☆おうちごはんを誰より楽しもう!
- 匿名だから何でも言える。SNSが凶器になる!?
- 抹茶スイーツいとうまし☆和歌をつぶやく平安イケメン!
- SNSで命を救え!怪獣と闘う自衛官ガール!
世間では流行りの終わった作品と呼ばれても、私たちにとっては永遠の最推し……! ひょんなことから職場で出会ったオタク同志の上司マキと後輩マミは、何年も前に発売したある乙女ゲームに今も夢中。憧れの上司が尊敬するフォロワーだったらマミのように驚くけれど、有能な人だからこそ納得できるし絶対的に信頼できます☆ 数多く登場する「オタクあるあるネタ」の根底に流れるのは、素直な自分のままいられることの素敵さ。世間体の前にオタクな趣味を隠し、楽しさを分かち合える友人を作れなかったマキが明るいマミと出会い変わっていく姿は、自分らしく生きることの難しさに悩む人たちの大きな共感を呼びました。二人のように社会人としてのTPOはきっちり守りつつ、仕事中でもSNSでこっそり萌えを共有できる職場って、ちょっと羨ましいですね!
『三国志』の諸葛亮孔明が、古代中国から現代日本にタイムスリップ!渋谷で出会った駆け出しシンガー・月見英子の軍師となり、音楽のパワーでかつて求めた太平の世を目指すことに。タイトルに「パリピ」とついても実は特にパーティ好きな訳ではなく、むしろ歴史マニアもうなるガチ目な「孔明」なのです。三国志の故事を思い出として語りながらもサクっとネットスキルを身に付け、あっという間に現代に馴染んでしまう姿にも不思議と違和感なし。人並み外れた頭脳を持つはずの彼ならさもありなんと、三国志好きな人ほど頷いてしまうはず。英子の歌声を21世紀の民草へ届けるため、劉備玄徳を導いた巧みな人心掌握術を活かしSNS戦略を駆使する孔明。いつの時代も人の心の動きに変わりはないということを、誰よりもよく知っているのかも……!
気になる年下クンのTwitterをついチェックしたり、婚約破棄と無職を隠しFacebookでキラキラ女子を演じてみたり、彼氏を奪った相手のInstagramを偽名でフォローしてみたり。便利過ぎて無くては困るけど、時には見せたくない、見たくないものまでさらけ出してしまうのがSNS。そのやりとりを軸に、イマドキ女子たちの心情を描くオムニバス作品集です。社内のLINEグループトークで滅茶苦茶気を使うなんて、わかりみが深すぎて泣けてくる……。人間関係や恋愛や自分の承認欲求に悩みながらも、やがて大切なことに気づき一歩ずつ先へと進んでいくヒロインたちの清々しさが柔らかなタッチで描かれます。最近SNSがちょっと息苦しくなってきた人ほど、読んだら肩の力がラクーに抜けちゃいそう。
望まない偶然から大好きなネットアイドル「AMU」のスマホを手にしたOL・安田奏衣。このタイムラインの中でだけは、いつもの私と違うキラキラキレイな女の子になれるから――。後ろめたさを感じながらもAMUになりすましてツイートを続けるうちに、フォロワーの年下美形大学生・吾妻タヅヌと現実で遭遇。馴染みの珈琲店主・小崎や職場の同僚・あずみとの関わりから、物語は思わぬ方向へと転がり落ちていきます。見知らぬ人に付きまとわれ、好き勝手な憶測で理不尽に罵られるネット炎上の恐ろしさの中、手探りで立ち直ろうともがく奏衣。清廉潔白ではいられなくても、時にはエゴ丸出しであっても、覚悟を決めて自分自身と向き合うことで正直になってゆく人間味溢れたキャラクターたちにエールを送りたくなります。
ステイホームが長引く2020年、改めて自炊の楽しさに目覚めた人も多いのでは。とかくワンパターンになりがちな在宅メシライフに思いっきり活を入れてくれるのが、美味しいお取り寄せ食が大好きな「おとりよせ王子」こと飯田クンが繰り出すおうち食レポなのです。実在するお取り寄せ物の紹介だけでなく、一人暮らしキッチンでできるレベルのお手軽アレンジレシピまで毎回披露してくれちゃうもんだから嬉しい限り。もはや私の中では、ダイエットの大敵「飯テロ」扱い。深夜読む時は要注意です! ちなみに飯田クンのリアルキャラはテンション高いSNS上と真逆の、人付き合いが苦手な独身サラリーマン。そのくせ、ちゃっかり「王子」を自称している面白キャラ。モテるタイプじゃないけれど、実はとっても家族思いの優しい青年です☆
週に一度級友を点数で評価する「SNS制度」アプリで、学校から管理されることになった生徒たち。人気ランキングの順位で教室の席順が決まる異様なシステムに加えて、同時に始まった「匿名掲示板」がクラス全体を殺伐とした空気へ追い込みます。そんな中でもネット上の叩きを一向に気にしない、マイペースで強気なエリカ。極力目立たず身の丈に合った枠に留まろうとするタモツ。友達グループを守るため「匿名掲示板」を監視し続けるヒマリ。それぞれの心に毒を抱えた個性的な登場人物たちが起こす、予想外のケミストリーな関係に注目。疑心暗鬼に支配された学校生活の中から見つける答えは――。デジタルネイティブ世代ストーリーならではのサスペンス展開は、急転直下のラストシーンまで目が離せません!
普通のOL・藤原沙織の部屋のスダレをかき上げて、現代に出現してしまった『源氏物語』の主人公こと超イケメンの光源氏くん! 当初は戸惑っていたものの、やがてゆる~く現代ライフをエンジョイするように。「いとおかし」な気持ちを見事に詠んじゃう和歌アカウントを作れば、即フォロワーが増えまくり。さすがは雅な平安貴族さま!? でも抹茶フラペチーノやテレビの美人女優に食いついてはスマホを取り出し、そそくさと三十一文字をタップする光くんのドヤ顔を見ていると、これって私たちが事あるごとに「カワイイ!」「美味しい!」とつぶやくのと大差ないのかもと思えてきます。千年前の人たちも同じことをしてたなら、SNSにハマりすぎのツイ廃もちょっぴり許せる気になってきませんか☆
海中から突如現れた巨大怪獣にクルーズ船が襲われた! 偶然乗り合わせた新人自衛官・防人このえは、幼い頃被災地で救助された経験から勇気を奮い起こし、乗客らを護るため命がけで奮闘。危険を顧みずネット配信を続ける少年を叱りつける一方で、海上からSNSチャットを通じ自衛隊と連携し、船内でパニックに陥った乗客らの協力を得ようとするが――。たった一人で人食いモンスターと対峙するこのえが直面する危機は、時に現実の写し鏡でもあります。毎年起きる自然災害。今なお続くコロナ渦。SNSが正確な情報を伝え、命を守るツールにもなると改めて実感している方も多いはず。トラブルの元となるのも人助けとなるのも、すべてはインターネットを使う人間次第。日々アップデートされていくSNSの便利さと共に、私たちも進化していきたいですね。