2015.5.8発行
勝手に読書
vol,23
▼心が配属された『週刊バイブス』では、重版出来が決まると恒例として一本締めをしている模様。
一般に、書籍などの出版物で、在庫が足りなくなるなどして刷り直すことを重版といい、重版された出版物ができあがり販売されることを重版出来という。重版は増刷と同じ意味で使われることも多い。重版出来は〈じゅうはんしゅったい〉と読むが、出版社や部署によっては〈じゅうはんでき〉と読むところもある。重版出来とは、その出版物に関わる人にとって、とてもめでたく、うれしい言葉なのである。
営業
▲足繁く書店をまわり、人気作を後押ししてもらったり、注目作を紹介したり、と作品と書店の架け橋となっている営業。フェアを仕掛けて“売る”など積極的に動くことも。
漫画家はもちろん、編集部、営業部、製版所、書店など、様々な“場所”で働いている人たちの手を通ってコミックスができあがる。「この作品を売りたい」「この作品をもっと知ってほしい」そう願う人たちは、敢えて言わずとも同じチームなのだ。そのチームの一員として、みなそれぞれが自分の持ち場で精一杯の努力をする。報われるとは限らない。思いが届かないこともある。それでも、自分の仕事をやり遂げる。そんな日々を積み重ねて、ヒット作が生まれていく。
デザイナー
▲コミックスの顔ともいえるカバーデザインを手掛けるデザイナー。よりその作品の魅力が伝わるように、漫画家や編集者と打ち合わせを重ねつつ、工夫を凝らしたものを制作。
製版
▲できあがった原稿を印刷するために必要な工程である製版。そこでもDTPのオペレーターほか多くの人たちが作品に関わっている。
書店員
▲ただ単にコミックスを売り場に並べ、売る。書店員の仕事はそんなものではない。時には版元の営業と協力しながらフェアを開催する。品揃えにその書店の個性が出る。
作品は「商品」であり「想い」
▲営業の仕事を手伝ったことで、コミックスが読者の手に渡るまでに多くの人が関わっている事実を実感した心。少しずつ大切なことを学びながら、新人編集者は成長している。
ひとつの作品を作るためにタッグを組む漫画家と編集者。編集者は、すでにプロとして活動している作家だけでなく、デビュー前の“卵”たちをサポートし、導く役目も担う。そして漫画家志望者は、編集者のアドバイスを受けながら、漫画家としてデビューすることを目指す。理想を追うだけの“綺麗事”では済まされない状況のなか、時には衝突し、互いにすれ違うことも。一冊のコミックス、ひとりの作家が誕生するまでには、様々な思いが交錯しているのだ。
いい作品が売れるとは限らない
▲よりよい作品を作っていきたいと思う心に、先輩編集者からの現実的な言葉が突き刺さる。はっきりと異を唱えるだけの経験も根拠も、心にはまだない。
面白い漫画が描きたい
▲画力は乏しいが、エネルギーを秘めた作品を描きつづけている漫画家志望者。振り絞るように出された彼の言葉は、いつか現実となるのか。
目指すか目指さないか
▼自分がプロになんて。そう思い続けていた漫画家志望者は、すでにプロとして活躍している漫画家の言葉に胸を打たれる。
☆“仕事”に本気で取り組むからこそ面白い!
漫画業界を舞台に、時に悩み、迷いながらも真剣に仕事に臨む人々を描く『重版出来!』。
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