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2015.2.2発行

勝手に読書

vol,21

勝手に読書伝説

累―かさね―

Special Interview

松浦だるま

新人作家の初連載作品にして、瞬く間に多くの読者を魅了した『累―かさね―』。2014年12月にはスピンオフストーリー『誘―いざな―』を小説として刊行するなど、ますます目が離せない活躍を見せる松浦だるま先生に創作秘話を含めお話をお聞きしました。

Profile

まつうら・だるま/2009年に「チョコレートミントの初恋」で第12回イブニング新人賞ゆうきまさみ大賞優秀賞を、2012年に「雪女と幽霊」で第19回イブニング新人賞宇仁田ゆみ大賞優秀賞を受賞。2013年より『イブニング』(講談社)で『累―かさね―』の連載を開始し、現在も連載中。

まだ人並みに頑張れていないような気がする

――子供の頃の将来の夢はなんでしたか?
松浦 漫画家です。
――いつ頃から漫画家になりたいと思うようになりましたか?
松浦 よく覚えていませんが、小学生になる頃には漫画家になりたいと考えていた気がします。
――漫画家になるためにこれは我ながらがんばった!と思うのはどんなことでしょうか。
松浦 無いです。まだまだ人並みに頑張れていないような気がしています……。
――きちんとコマを割ってペン入れをして原稿を描きあげたのはいつ頃、どんな作品でしたか?
松浦 たぶん、高校のイラストレーション部で描いたパロディ漫画が最初だと思います。
――シーンやセリフ、キャラクターなど、何を核にネームを考えることが多いですか?
松浦 そのときそのときで違いますが、最初は台詞から思いついて、各シーンをプロットに起こし、順番を変えたり組みたててからネームに入ります。
――どんなときにストーリーを思いつくことが多いですか?(寝転がっているとき・机の前で・散歩中・入浴中…などなど)
松浦 電車での移動中や、読書中、また原稿の進みがやばいときに急に思いついてメモを取ったりします。
――漫画を描くときに欠かせないものはありますか?(音楽・飲み物などなど)
松浦 集中力が続かないタイプなので、プロット・ネーム段階ではとにかく音楽が欠かせないです。あとはコーヒーや栄養ドリンク……不摂生ですね。仮眠も割と取ります。
――漫画を描く作業(ネーム、下描き、ペン入れ…など)の中で、もっとも好きなのはどの部分ですか?
松浦 プロットです。
――苦手なのはどの部分ですか?
松浦 原稿の下描きです。プレッシャーに毎回やられます。
――これがなくては絶対に描けない!という愛用の画材をひとつ教えてください。
松浦 NIKKOのGペンとパイロットの筆ペンです。特に筆ペンのほうは、もし廃番にでもなったら泣くと思います。
――読者からの手紙や言葉で特に印象に残っているものがありましたら教えてください。
松浦 かさねの感情に対して「自分にもわかる」というご意見を女性の方々から結構いただくのですが、その中にお綺麗な方や、人前に出る職業の方もかなりいらっしゃるので、美醜という価値観の苦しみからはどんな人間も逃れられないんだなと思います。
――同業者である漫画家の方や編集者からの言葉で特に印象に残っているものがありましたら教えてください。
松浦 漫画家でも編集者でもない読者でもない方ですが、「お前の漫画は退屈だ」「漫画家をやめてほしい」です。私は調子に乗りやすい性格なので、誰からも認められているわけではない事、いつ梯子を降ろされてもおかしくない事を常に心に留めておくべきだと思っています。
――プロの漫画家になったのだと実感したのはどんなときでしたか?
松浦 いまだに自覚しきれていない感じではありますが、アシスタントさんをお呼びしたときに「漫画が本当に仕事になったんだ」と思いました。
――これまでに描かれた作品の中で、特に印象深い作品は何ですか?
松浦 『累―かさね―』と『誘―いざな―』です。初めての漫画連載と、初めての小説作品なので。
――漫画家になってよかったなあと思うのはどんなときですか?
松浦 父に喜んでもらえたときです。
――デビュー当時と現在とで、漫画家としての心境の変化はありますか?
松浦 前の質問の返答でも言いましたが、「仕事になった」という感覚が一番大きな変化だと思います。
――デビュー当時の自分に現在の自分からなにかアドバイスを贈るとしたら、それはどんなものでしょうか。
松浦 「早く描け」「怖がらずとにかく描け」だと思います。
――今後新しく挑戦してみたいことがありましたら教えてください。
松浦 運動不足なので、何か僅かでも運動と呼べることを始めたいです……。
――2015年の目標はなんですか?
松浦 「作品に誠実に向かう事」「生き残る事」「思いやり」です。
――最後にひかりTVBOOKを利用している読者へメッセージをお願いいたします。
松浦 拙作お読みいただき、ありがとうございます。今後もさらにお楽しみいただけますよう、そしてとにかく想定している最後まで走りきれるように頑張りたいと思います。暗い内容の作品ではございますが、今後ともよろしくお願い致します。
――ありがとうございました。

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小説を書くのは楽しかった

スペシャルガイド

累―かさね― コミックス情報

  • 累―かさね―(1)を読む
  • 累―かさね―(2)を読む
  • 累―かさね―(3)を読む
  • 累―かさね―(4)を読む

 

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