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2014.10.01発行
勝手に読書
vol,17
Special Interview
椎名橙
世界を制服した太陽王リビのもとに政略結婚の相手として嫁ぐことになった、雨を降らすことのできる公女ニケ。ファンタジックな世界を舞台に心あたたまるストーリーを紡ぎだす椎名橙先生に、作品誕生の経緯など書面でお答えいただきました。
Profile
しいな・だい／8月21日生まれ。東京都出身。2003年に「60か月」（白泉社『ザ花とゆめ』2003年4月1日号掲載）でデビュー。現在、白泉社『花とゆめ』にて『それでも世界は美しい』を連載中。
敵も多く、過酷な日々を過ごしてきたリビ。いつしか荒んでいた彼に『美しい』と感じる心を取り戻させたのは、ニケだった。
- ――ニケを描くにあたって、気をつけているのはどんなことでしょうか。
- 椎名 恋愛のことだけに全部の思考を持って行かれないようにすることでしょうか。
- ――第２話から２年ほどのブランクを経て第３話を描かれることになったときのお気持ちを教えてください。
- 椎名 読者の皆様に忘れられちゃっていないか、不安もありましたが、率直に嬉しかったです。
- ――第３話を描くにあたって、意識したこと、気をつけたことなどはありましたか？
- 椎名 ニケをエロく描くことでしょうか（笑）。前編集長のオーダーで、なめるようなアングルで！と…（笑）。
- ――これまでに描かれたエピソードのなかで、特に印象深いエピソードとその理由を教えてください。
- 椎名
・「砂の皇国編」。色々な挑戦をした話だったので、なんとかまとまってよかった、とほっとしました。
・「雨やどり」（第10話）ネームを仕上げたときに手ごたえがあったのと、当時の担当さんに初めてほめられたので。
婚約式を取りおこなうことになったリビとニケだったが、リビに敵対する神官庁から横槍が入る。神官庁を納得させるためには、特別な儀式を行わねばならず!?
- ――読者から反響が大きかったエピソードを教えてください。
- 椎名 「湖の王国編」の、フォルティスおじさんのヒゲが…！ 「なんで剃ったんですか」という声をたくさんいただいて。乙女な読者のためにと思って剃ったのですが、そこまで考えすぎなくてもよかったなと思いました。
- ――ご自身の作品の中で最長作品となっている『それでも世界は美しい』ですが、だからこその難しさを感じるのはどんな点ですか？
- 椎名 風呂敷の広げ方とたたみ方ですね…。
- ――この作品だからこそ、描くときに気をつけている点、大切にしている点がありましたら教えてください。
- 椎名 「世界」という言葉がタイトルに入っているので、この世界のスケール感を忘れないように気を付けることです。どこに行くのに、大体何日かかる…とか。
- ――この作品を描くときにもっとも楽しさを感じるのはどんなところでしょうか。
- 椎名 それぞれの章ごとに、物語が動き始めるときが一番ドキドキします。
ニケの生国・雨の公国を訪れたニケとリビ。そこで様々な出来事を経て絆を確かめ合ったふたりは、公国式の結婚式を挙げることに。
- ――今後描いてみたいエピソードやネタを少しだけ教えてください。
- 椎名 ニールやバルドなど、メインに近いキャラを掘り下げたいですね。
- ――ますます仲睦まじいニケ＆リビに一言ずつメッセージをお願いします！
- 椎名
ニケへ。いつも身体張ってくれてありがとう！
リビへ。あんまり調子こくと、足元掬われるから気をつけなさいよ！ - ――今後の見どころをぜひ教えてください。
- 椎名 リビが内面世界を取り戻していく話、ニケが世界の外側を知っていく話。その両方を楽しんでいただけると嬉しいです。
©椎名橙／白泉社