ひかりTVブック ひかりTVの電子書籍サービス



2014.09.03発行

勝手に読書

vol,16

勝手に読書伝説

青空エール

Special Interview

河原和音

何度も挫折を繰り返して、泣きながら、それでも夢をあきらめずにがんばるつばさの姿に多くの共感と応援が寄せられる「青空エール」。きらきら眩しい高校生たちの汗と涙の青春ストーリーは、どんなところから生まれたのか。作者である河原和音先生に書面でお答えいただきました。

Profile

かわはら・かずね/3月11日生まれ。1991年に「彼のいちばん好きな人」(集英社『別冊マーガレット』4月号掲載)でデビュー。現在、集英社『別冊マーガレット』にて「青空エール」を連載中。

最初から成長していくところが描きたかった

青空エール

自分に自信が持てなくて、何かあるとついうつむいてばかりだったつばさ。そんな彼女が勇気を振り絞って、名門吹奏楽部に入部することを決意するが…。

青空エール電子版はこちら

――吹奏楽部でがんばる女子高生つばさを主人公に描かれる『青空エール』ですが、吹奏楽部を題材にしようと思ったきっかけを教えてください。
河原 好きな男の子が野球部で女の子は吹奏楽部で、男の子が試合に負けてしまって女の子が1人スタンドからトランペットを吹く、という場面がよいなと思って、そこからスタートしました。
――もともと吹奏楽(部)に興味をお持ちだったのでしょうか。
河原 吹奏楽部とトランペットに興味がありました。音とかパーンとしてかっこいいなと思います。形も好きです。でも、ほかの楽器もみんなかっこいいです。
――吹奏楽部という題材から、現在の『青空エール』という作品(ストーリー)の核はどんなふうに作られていったのですか?
河原 自分も初心者なので(楽譜くらいは読めるけれど〈パーカッションの楽譜は読めません〉)、核は、最初からつばさと大介の成長していくところを描きたかったので、そこらへんがブレてないといいなぁと思います。
――連載開始前に白翔学園のモデルとなった高校の吹奏楽部を取材されたそうですが、どんなところをポイントにおいて取材されたのでしょうか。
河原 日常と、全体的な流れと、どんな子たちがいてどんなことを感じながらやっているのか知りたかったです。アンケートを一度お願いしたのですが、みなさんとてもきちんと書いてくださって感動しました。あとは、買えない楽器の細部や持ち方、運び方の資料写真をいっぱい撮ったんですけど、足りないです、いつも。
――取材以外で、事前に調べたり、準備されたりしたことがありましたら教えてください。
河原 トランペットを習いました。あと、吹奏楽コンクールの金賞ばかり集めたCDを聴いたり、Youtubeで昔の名演奏といわれる演奏を聴いたりいろいろしました。
青空エール

つばさの高校の吹奏楽部は、全国でも名の知られた強豪。素人のつばさが入部するには敷居が高い!? 仲良くなったクラスメイトの陽万里の言葉に怖気づいてしまう。

青空エール電子版はこちら

――学生時代は運動部に所属していたそうですが、楽器を習った経験はありますか?
河原 家がピアノ教室だったので、幼稚園のとき習いましたが、あっという間にやめました。だから、コンクールなどで演奏を聴いても両親のほうがいろいろわかっていたりします。私はよくわかってないです。
――資料として最初に買ったのはトランペットだそうですが、それ以前にトランペットに触れたことはありましたか?
河原 ないです。初めて触ったときは、形がかっこよくて感動しました。楽器って本当に素敵な形です。描いてくれるアシスタントさんは苦しそうです。
――その後、トランペット以外に買った楽器はありますか?
河原 トロンボーンをしばらくお借りしていました。あとは譜面台。野球のいろいろも買いました。
――タイトルの由来を教えてください。また、いつ頃決定しましたか?
河原 タイトルは、ずっと考えていたのが(恥ずかしいのでここには書きませんが)ボツになったり、なんとなくこんなイメージかなぁというのを5つ6つ出して、担当さんが「これにしましょう」と言ってくださって決まったような。だいたいいつもそんな感じです。青い空の下で応援してるような、応援されて心の中に青空が広がるような…そのまんまですみません。そんなイメージです。北海道、空が広いせいか、なんだかよく空を見ていて、昔から空が好きなんです。
青空エール

クラスメイトで甲子園を目指す球児・大介の言葉に、甲子園で演奏応援したいという自分の夢を肯定してもらえたようでうれしくなるつばさ。

――連載開始の段階では、どのあたりまでお話の展開を決めていたのでしょうか?
河原 3巻の大介がごめんと言って泣くところまでです。あとは何も考えてなかったです。1話目と、3巻のラストは考えていて、間の部分も考えてなかったです。
――連載開始前に作品を練っている段階でもっとも力を入れたのはどんなところですか?
河原 キャラクターは、できるだけブレないように最初につくりました。あと、設定をすぐに忘れるので(「主人公、何組だったっけ?」とか「誕生日いつだっけ?」とか)、忘れないようにメモしてたんですけど、もう今忘れています。1話目はしっかりつくろうと思って、ネームをずーっと考えていました。
――連載開始前後と現在とで、設定・展開などで大きく変わった部分がありましたら教えてください。
河原 つばさが3年になって、だいぶ偉そうになってきたなぁと思います。1年、2年、3年でかなり立場が違っていて、部活を描いたのでそういうふうになったのだと思うんですけど、最初からやろうとしていたわけじゃなかったので、自分で少し楽しいなと思います。それと最初の担当さんが「大介がケガしたらいいんじゃないか」ということだったので、じゃあと思って描きました。もっと大ケガなイメージだったようで(担当さんに)申し訳なかったです。あとは、次の担当さんが後輩は男の子がいいんじゃないかと言ってくださったりだとか。大きく変わった部分はないかもしれません。

ページトップへ

正しい心で描くようにしたいなぁと思っています

青空エール コミックス情報

  • 青空エール(1)を読む
  • 青空エール(2)を読む
  • 青空エール(3)を読む
  • 青空エール(4)を読む
  • 青空エール(5)を読む

その他青空エール電子版はこちらから

勝手に読書伝説 バックナンバーはこちら

©河原和音/集英社マーガレットコミックス

ページの先頭へ