プロフィール
ひらの あゆ
広島県出身。ファミリー4コマ誌『まんがタイムオリジナル』(芳文社)にて、98年より『ラディカル・ホスピタル』の連載を開始。02年からは同誌の表紙・巻頭カラーを毎号担当し、『まんがタイム』でも同作を連載中。その他著作に、『星のズンダコタ』『ルリカ発進!』『迷宮書架』『島の人』など。
私のイチオシ!コミック&ブック・レビュー
- 誕生日プレゼントは本でした
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――本または読書に関するもっとも古い思い出を聞かせてください。
ひらの もっとも古いのはたぶん小学館の世界の童話シリーズだと思います。子どもの頃はクリスマスや誕生日に母や祖母が本をプレゼントしてくれたんですが、全集を一気に揃えてくれるのではなく、グリム童話やアンデルセンといったカテゴリごとに買ってもらった覚えがあります。あとは絵本ですね。『桃太郎』のようないわゆる日本のお伽噺で、最近の絵本はマンガっぽい絵が多いですけど、私が読んでいた絵本は日本画や油絵のような絵がついていて、すごく綺麗でした。絵本も童話全集もまだ実家に残っているので、姪が小さい頃は、「うちにある絵本や童話を読んでおきなさい」とよくいっていました。そういえば最近その姪がマンガの『マギ』(大高忍)にハマりまして。『マギ』は『アラビアンナイト』をモチーフにしているので、「ベースがわかるとおもしろいでしょう。だから本を読んでおいたほうがいいっていったんだよ」という話をしました(笑)。
――童話や絵本は買ってもらったということですが、初めて自分のお小遣いで買った本は覚えていますか?
ひらの 中学生のときに買った『リボンの騎士』のアニメ画集だと思いますが、うちは高校生になるまでお小遣いというものがなかったので、基本的に「本は親が認めたもののみ買ってもらえるもの」という認識でした。昔から動物が好きだったので、『シートン動物記』(アーネスト・トムソン・シートン)や『ドリトル先生』シリーズ(ヒュー・ロフティング)、それに図鑑は何度も読みましたね。週に1回通っていたバイオリン教室の下が本屋さんだったので、欲しい本を見つけては買ってもらいました。学校や公民館の図書室も利用していましたが、小学校の高学年で『シャーロック・ホームズ』シリーズ(アーサー・コナン・ドイル)にハマったら、図書室に全巻揃っていなくて。図書室にない『ホームズ』を買ってもらった記憶があります。
ひらの 本は大好きでした。親に買い与えられたといえば、NHKでやっていた『新八犬伝』という人形劇を見ていたら曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』を買ってきてくれたことがありましたね。でも、あれって難しいじゃないですか。いま読んでも大変な本を小学生のときに買い与えられたので、さすがに途中で挫折しました(笑)。
ひらの 後々何度かトライして一応読破しましたが、親もその手の本を読んでいたわけではないので、対象年齢もよくわからなかったんだと思います。同じような感じで『真田十勇士』を買い与えられて、「難しいじゃないか!」となったのを思い出しました(笑)。
ひらの 基本的に権威に弱い両親なので(笑)、NHK絡みや文豪系の本はすんなり買ってくれましたが、マンガはなかなか買ってくれませんでした。親が「良し」と判断したものしか買ってもらえなかったんです。
ひらの まさにそうです(笑)。最初に買ってもらったマンガは『ブラック・ジャック』でした。友だちの家になぜか単行本の7巻だけがあって、それを読んだらすごくおもしろかったんです。で、従兄の家に遊びに行ったときに、お兄ちゃんの部屋で一冊まるごと『ブラック・ジャック』という『週刊少年チャンピオン』の増刊号を見つけて、「やっぱりこれが好き!」となりまして。お兄ちゃんに何冊か単行本を買ってもらい、さらに親を抱き込んで(笑)、親公認の図書として最終巻まで買い揃えました。『火の鳥』もそうですね。
- 中学生で同人誌に出会いました
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――ひらの先生といえば同人誌(自主製作した本)で『宇宙戦艦ヤマト』のパロディマンガを長らく描かれていますが、『ヤマト』との出会いはいつ頃でしたか?
ひらの 『ヤマト』と出会ったのは小学生のときです。『ヤマト』は普通にアニメから入りました。本好きでしたけど、アニメっ子でもあったんです。その後、私に『ヤマト』を薦めてくれた友だちが松本零士先生の『銀河鉄道999』を教えてくれまして。なんて綺麗な絵なんだろうと感動して、親に容認してもらって単行本を集めました。当時『銀河鉄道999』はまだアニメになる前だったんですが、アニメ化されたときは絵がまったく違って驚きましたね(笑)。アニメはアニメで楽しんでいましたけど、そのときに「マンガのアニメ化はマンガが本物だ」という意識が強くなった気がします。
――同人誌を始めたのは中学生のときだったそうですが、そもそもどのようにして同人誌を知ったのでしょうか。
ひらの 『ブラック・ジャック』を持っていた友だちが教えてくれました。中学時代は吹奏楽部で、実は1、2年の頃は部活に熱中して本から少し離れていたんです。ところが3年になるときに、引っ越しで転校することになりまして。転校先でも吹奏楽部に入ったんですが、前の学校とは部の雰囲気がまったく違う上に、楽器が変わったこともあって、マンガのほうにエネルギーが…。高校受験は必死に勉強しなくても問題なさそうだったし、不本意な転校だったので、若干自棄になっていたんです(笑)。
ひらの 自棄でしたね。計算高かったのでグレはしなかったんですが(笑)、いい子にしていても良いことはないな、と。これからは文句をいわれない程度に勉強をして、あとは好きなことをやろうと思って、地元の同人誌イベントで美大系のお姉さんたちと知り合ってからは、同人誌にハマっていきました。
――ではマンガやアニメの話はもっぱら学校以外のお友だちと?
ひらの そうですね。中3、そして高校でまた新たな出会いがありました(笑)。私は中3の転校で一度友だち関係がリセットされたというのに、市が合併したことでやたら遠い学校に振り分けられて、高校進学時にまたも友だちがリセットされてしまったんです。それでもうまともに部活をやる気はなくて、適当なクラブに入ろうと思って説明会を聞いていたら、文芸部の中にアニメ班たるものがあることがわかり、ここでいいじゃん!と(笑)。
ひらの ありました(笑)。文芸部はすごく楽しかったです。まさに『究極超人あ~る』(ゆうきまさみ)の世界でした。先輩がいて、どうでもいいことをぐだぐだしゃべりながら、ときどき部活をするっていう(笑)。ちゃんと顧問の先生もいましたし、学校持ち回りの市の文芸総会で品評会をしたりもしていましたけど、ほとんどが二股活動状態で、学期ごとに文芸誌とアニメ誌を1冊ずつ出していました。部室にはアニメ情報誌だけでなくマンガ雑誌やら『地球へ…』(竹宮惠子)やらが置いてあるし、『グイン・サーガ』(栗本薫)とか、いまでいうラノベっぽい本を持ってくる子もいて。新井素子先生、氷室冴子先生といったコバルト文庫系も流行っていました。私が最初にコバルト文庫を認識したのは、『ヤマト』のノベライズでしたけど(笑)。
ひらの 文芸誌では一応どうにかがんばって文章を書いていました。私の学年からアニメ班目当てで入部する邪道人間が増えたために、挿絵描きはたくさんいたんですけど、文章書きがいなくて、先生から「詩でもいいから何か書くように」とお達しがあったんです。でも私はネタ先行でギャグに走るので、詩に添えるような抽象的な絵は苦手でした。かといってみんなの作品を清書する人間タイプライターになるほど字が上手なわけでもないので、文章を書くしかなかったんです。
- 私のルーツは少年マンガです
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――マンガ家という職業を意識するようになったのはいつ頃でしたか?
ひらの なりゆきでここまできたような感じなので(笑)、なれたらいいなという現実感のない憧れはありましたけど、真剣に考えたことはありませんでした。中学時代は自然発生的にノートの裏にパロディのようなマンガを描いたりはしていましたが、絵が上手でないことは自覚していたので、いつもネタ勝負だったんです。教科書に出てくる英語の用例やら、歴史に出てくる変な人やらをネタにしてマンガを描いていたら、ノートの表よりも裏のほうが充実してしまって(笑)、友だちの間で回したりしていました。
ひらの 1コママンガみたいなものから、だんだんストーリーマンガのようなものに発展していきました。中3で同人誌を知って、初めてペンと墨汁とトーンを買ってマンガをかいて、(二次)同人誌に投稿(笑)。高校卒業後に専門学校へ行くために上京したんですが、それからはもう羽根を伸ばしまくり(笑)。クラスの友だちとサークルを立ち上げて、オリジナルマンガやアニメのパロディマンガを描いていました。
――当時はもう現在の4コマスタイルだったのですか?
ひらの 4コマも描いていましたけど、ストーリーマンガも描いていました。私はいつでもニッチ狙いなんです。当時は同人誌というと単行本より雑誌の体裁にならっていたところがあって、マンガだけじゃなくレポートものやトークコーナーもあったりしたんですね。それを何人かで作るのが基本だったので、誰かが原稿を落したり、マンガのはずがイラストになったりすると、編集担当がページの穴埋めをしなければならないわけです。で、そういうときに4コマはちょうどいいんですよ。そこへ入り込みました(笑)。絵柄がゴージャスじゃないからバーンと見開きで描いても寂しいことになってしまうし、そもそもが少年マンガ畑の人間なので、美しく華やかで可愛い少女マンガ系の周囲とはちょっと違ったんですよね。何せ『ブラック・ジャック』に始まり、『すすめ!! パイレーツ』(江口寿史)や『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ)、『ストップ!! ひばりくん!』(江口寿史)がルーツの人間ですから。
――『ブラック・ジャック』は別として、あとの作品はご両親公認の図書ではなさそうですが…。
ひらの そうですね(笑)。みんな友だちから借りたり、従兄の家で読んだり、あとは落ちていたり。
ひらの 『マカロニほうれん荘』の2巻が小学校に落ちていたんです(笑)。マンガはあまりたくさんの作品に触れてこなかったんですけど、滅多に読めなかったぶん、すごく覚えています。自分で買い揃えたのは高校を卒業してからでしたが、『ストップ!! ひばりくん!』はシンプルだけど可愛くて、私にとって理想的な絵なんです。上京してからは読むマンガの幅も広がりましたね。サークルの仲間や寮の友だちがいろいろ教えてくれたので、青年誌を買ったり、サブカル系のマンガが置いてある本屋さんに出入りするようにもなりました。しりあがり寿先生の『エレキな春』をジャケ買いしたり、ほかにも原律子先生、いしかわじゅん先生を読んでいました。
――上京する頃まで4コマ作品に触れることはなかったのでしょうか。
ひらの そうですね。青年誌の巻末に載っているものを読んだことはありましたが、単行本を買ったのはサークルを立ち上げてからなので、かなり遅いです。たぶん『ぼのぼの』(いがらしみきお)が最初じゃないかな。4コマは読むよりも描くほうが早かったですね。もともとネタものばかり描いていましたし、サクッサクッと終わっていくスタイルが自分に合っていたんだと思います。それで4コマとストーリーマンガの2本立てで同人誌を描いていたら、某出版社の方から声を掛けられて、専門学校を卒業する頃には、アシスタントとして半ば就職しているような状態になっていました。けれど、そうこうしている間にアシスタントをしていた先生が休筆されまして。仕事をしないわけにはいかないので、とりあえず定職に就いて働きながら同人誌を描いていたら、江戸川乱歩の『孤島の鬼』の同人誌を読んでくれた編集者さんが声を掛けてくださって、『星のズンダコタ』を描かせてもらえることになりました。
――小学生の頃に『ホームズ』にハマったと仰いましたが、江戸川乱歩もお好きだったのですか?
ひらの 子どもの頃は乱歩先生はちょっとかじっただけで『ホームズ』にいってしまったんですが、友だちが出した『少年探偵団』のパロディがすごくおもしろくて、乱歩回帰をしたんです。それで、私なら『少年探偵団』じゃなくて『孤島の鬼』だなと思って、本を作りました。いつも何かにハマったら、本を出すことでそのパワーを発散するんです。そうしないと愛が暴走するので(笑)。
ひらの まさにそうです(笑)。それで同人活動を続けているうちに、『星のズンダコタ』以外にもちょこちょこお仕事をいただけるようになってきて。4コマだけの本を作ったときに芳文社さんの目に留まって、『ラディカル・ホスピタル』を描くことになったんです。
――その『ラディカル・ホスピタル』も連載が始まって16年になります。
ひらの 早いですね~。担当さんとは未だに「こんなことになるとは思わなかったね」という話をします。声を掛けられ
て初めて4コマだけの専門誌があることを知ったような人間な上に、『ラディカル・ホスピタル』は『ブラック・ジャッ
ク』から続く私の医者萌えから生まれたようなものですから…(笑)。
- ハマると聖地巡礼もします
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――成人してから出会った作品で特に印象深いものを教えてください。
ひらの 成人してからだと『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ)ですね。“やまと”繋がりで『ヤマト』好きの友だちに教えてもらい、思いっきりハマりました(笑)。『ヤマト』好きは海軍ものとかにも弱いんです。『沈黙の艦隊』は同人界でもけっこう人気があったので、いろいろな人と交流できるのも楽しかったです。それと、私はそれまでわりと古い作品ばかりハマっていたので、連載を追いかける楽しさを味わえたのもうれしかったですね。おかげで本を出すだけでは治まらず、聖地巡礼とばかりにニューヨークまで行ってきました。
ひらの 本当にバカですよね(笑)。『沈黙の艦隊』はちゃんとロケハンをされているので、現地に行けばマンガに登場した場所が本当にあるんです。
ひらの そうです(笑)。国際連合本部ビルに行ってゴハンを食べたり、観光地でもないところに行きたがったりするので、タクシーの運転手さんには「なんでそんなところに行きたいんだ」といぶかしがられました。まあ、私は人生初の海外旅行からして、『三国志』好きの友だちと行った中国の『三国志』巡りですし、『ホームズ』好きが高じてロンドンへも行きましたから、昔からこうなんですよね(笑)。
――なるほど(笑)。最近読んだ本でお気に入りの作品はありますか?
ひらの 最近ではないんですが、島田荘司先生や綾辻行人先生のような新本格を筆頭にミステリが盛り上がったときは、乱歩友だちの間でもミステリ熱が上がって、やたらミステリばかり読んでいました。だけど勤めを辞めて連載が増えてからは、なかなか本を読む時間が取れなくなってしまいました…。通勤していたときは電車で本を読んでいたので、その時間がなくなってしまったことも大きいかもしれません。それに『ヤマト』でおわかりの通り、気に入ったものに関してしつこい性格なので(笑)、長時間電車に乗る機会があっても、いつも同じような本ばかり鞄に入れてしまうんです。
ひらの それこそ『孤島の鬼』とか、考えに考えて『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)とか。別に新しいものが嫌なわけではないんですよ(笑)。小説ファンブックの『かつくら』で『迷宮書架』を連載しているので、『かつくら』を見ては本を読みたいと思うんですけど、近頃は書店に行こうと思いながら気がつくと半年くらい経っているという有り様で、レパートリーも増えないんです。
――それは息抜きもままならなそうですね…。この企画ではゲストの方に「○○なときに読みたい本」を教えていただいているのですが、ひらの先生はどのようなテーマでご紹介いただけますでしょうか。
ひらの では「笑いたいとき」に読む本で、筒井康隆先生の『関節話法』を。『宇宙衛生博覧会』という本に収録されている短編です。タイトルだけ聞くと“He said”の間接話法かと思いますが、読んで字の如く“関節”を鳴らして会話するんです(笑)。支離滅裂な文章と最後の落ちが最高におもしろいSFで、初読の高校生のとき私は死ぬほど笑いました。
ひらの ところが初めて読んだときは電車の中だったんですよ。もう本当に大変でした(笑)。
――そんな過去の読書体験を思い返して、いまご自身と同世代の女性にお薦めしたい本を教えてください。
ひらの 私の狭い読書経験ではコレと薦められる本も多くありませんが、タイトルは知っているけれど読んでいない本や、とっつきにくいと思われがちな明治の文豪系、それに昔ながらの童話を読まずにきている人は、いまからでも読んでみると楽しいと思います。文豪系だと私は芥川龍之介の『河童』や夏目漱石の日記ものが気に入っているんですが、意外とぶっとんだ話もあるので、きっとおもしろいですよ。
――それでは最後に、ひらの先生にとっての読書の楽しみをお聞かせください。
ひらの 物語そのものに限らず、その周辺や現実との繋がりも含め、知らない世界を垣間見ることができる、というのが一番の楽しみかなと思います。いまはネット上に情報が溢れている時代ですから、新しい作品に出会ったときの驚きや衝撃も少ないかもしれませんが、読んでみたら思わぬ発見もあると思うので、あまり読書をしないという方は特に、なんでもいいので本を手に取ってみることをお勧めします。私もまた本を読みたいと思います。
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ブラック・ジャック 1巻
作者:手塚治虫 出版社:手塚プロダクション
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無免許の天才外科医ブラック・ジャックが活躍する医学ドラマです。
『報復』日本医師連盟に呼び出され、医師免許を持たぬことを糾弾されたB・J。刑務所に入れられたB・Jのもとにある依頼者が…。『シャチの詩』ピノコとともに海辺を訪れたB・Jは、5年前のある悲劇を語りはじめ…他、9話を収録。
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沈黙の艦隊(1)
作者:かわぐちかいじ 出版社:講談社
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日米は、世界でも類をみない高性能な原子力潜水艦「シーバット」を、極秘裡に造り上げる。日本によって資金技術提供をされた日本初の原潜であったが米第7艦隊所属という、数奇の宿命を背負った落とし子でもあった。艦長には、海自一の操艦と慎重さを誇る海江田四郎が任命された。が、海江田は突如、試験航海中に指揮下を離れ、深海へと潜行する。米軍は「シーバット」を敵と見なし、撃沈のため第3、第7艦隊を南太平洋に集結。しかし、大胆にもシーバットは艦隊中最大の空母「カールビンソン」の目前に堂々と浮上。独立国家「やまと」を全世界に向けて宣言したのだった。
ひらのあゆBOOK GUIDE
ひらのあゆさんの代表作にして、4コマ界を代表する
大人気ロングシリーズ『ラディカル・ホスピタル』をご紹介!
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ラディカル・ホスピタル
著者:ひらのあゆ 出版社:芳文社
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医療4コママンガの決定版!
技術は確かながら気さくでお調子者の外科医・榊に、色気より食い気でいつも元気なお姉さんナースの山下、榊の同期で生真面目だけれど天然なドクター・景山や、ボランティアが趣味の頼れる看護師長・咲坂などなど…。とある総合病院を舞台に、個性豊かな医局の人々と入院患者たちの日常をコミカルに描く。医療関係者からの支持も厚く、どこから読んでも楽しめる、笑いあり人情ありのロングセラーシリーズ。
【一口メモ】
榊先生たちのドタバタな日々を再現したドラマCD『ラディカル・ホスピタル』も第2弾まで発売中。
出演:藤原啓治(榊忠嗣役)、伊藤美紀(赤坂しの役)、緑川光(景山貴夫役)、井上和彦(滝沢秀則役)、宮野真守(里見雅行役)、井上麻里奈(山下まり役)ほか。
ひらのあゆさんからのメッセージ
皆様の応援のおかげで『ラディカル・ホスピタル』を長らく描かせていただいております。読んでくださっている方には感謝しかありません。ありがとうございます。ファミリー4コマ誌ということもあり、高校時代に文芸部の先生にいわれた「読者を背負い投げするような作品はダメだ」という言葉を肝に銘じて、ただ脅かすだけで終わるような、読後感モヤモヤな描き方はしないように心掛けています。『ラディカル・ホスピタル』は病院が舞台なので、ときどき世知辛いネタになることもありますが、現実的な辛さだけを掘り下げることはしていません。気負わずに読める日常お笑い4コマなので、ご存じない方は気分転換をしたいなと思ったときにでも手に取っていただけたらうれしいです。