• OFF
  • ON
シークレットモード

2013.11.30発行

勝手に読書

vol,7

勝手に読書伝説

アニメ化も果たした名作ホームコメディ♪

「赤ちゃんと僕」

赤ちゃんと僕

通事故でママを亡くした小学5年生の榎木拓也は、慣れない家事と2歳になる弟・実の世話で毎日大忙し! 頑張りやの拓也とわがままだけれどお兄ちゃん子の実、やさしいパパの絆があたたかい、榎木家の子育てホームコメディ。デビュー2年目に連載がスタートし、1994年には第40回小学館漫画賞・少女漫画部門を受賞。TVアニメ化も果たした、羅川真里茂先生の出世作。

EXTRA INTERVIEW

――連載当時の思い出を聞かせてください。
羅川 『赤ちゃんと僕』を描いていた頃はまだ若くて、プロのマンガ家とはどういうものかを全然わかっていなかったように思います。読者との距離感もわからなければ、自分が描いたものを受け取る人がいるっていうことすらわかっていませんでした。ただひたすら一生懸命マンガを描いて提出するだけで、本当に殻の中に閉じこもっていたなと思います。
――目の前の仕事をこなすだけで精いっぱいでしたか。
羅川 本当に。だから思い返してみると、恥ずかしいことや反省することがいっぱいあります(笑)。当時は周りを見る余裕がなくて、初めての連載なのに自分はどうしてこんなに辛い山を登っているんだろうと思うこともありましたね。それでいざ連載が終わってみれば、この作品の存在があまりに大きくて、次へ進むのに重荷になってしまったんですよ。何を描いても比べられるし、ある程度売れる作品を出せても、『赤ちゃんと僕』を超えていないからといって落ち目のようにいわれたり。当時は本当にしんどかったのですが、20年経ってようやく、「あの作品を描いていた誰々さん」っていわれることはひとつの勲章のようなもので、実はすごいことなんだなと思うようになりました。
――「『赤ちゃんと僕』の羅川真里茂」といわれることを受け入れられるようになった?
羅川 はい。それに、殻に閉じこもって必死で描いていたときのあのキツさを体験していなかったら、恐らく今、締切りとかいろいろなプレッシャーに負けずに描き続けられる作家にはなっていなかったかもしれないと思います。
――マンガ家としての基盤ができたというか、大事なことを身につけさせてくれた作品なんですね。
羅川 そうですね。原稿のペース配分とか…まぁ、締切りギリギリに上がったりするのでちょっと編集者さんには気の毒なんですけど(笑)。ほかの人だったら倒れるくらいまでやっちゃうのかもしれませんが、私の場合は、今ここで仮眠を取ったほうがいいっていう自分の体の限界もわかりますし、これはたぶん今無理をして頑張っても絶対にうまく描けないなっていうこともわかるんですよ。そういうときは一度スパッと切り上げて、「みんな、ここで休もう」と。そういうスタッフさんの調整もできるようになりました。やっぱり無理して変なものを描いてもあとで後悔しますから。本当に学ぶことが多かった作品です。
赤ちゃんと僕の詳細をみる

少女マンガ界屈指の傑作スポーツコミック!

「しゃにむにGO」

しゃにむにGO

ニスをしていたある女子高生に一目惚れし、高校入学と同時にテニスを始めた元陸上界のホープ・伊出延久。精神面の弱さと父親の反対から一時テニスを離れていた、元ジュニア界のトッププレイヤー・滝田留宇衣。高校のテニス部で出会った少年たちは、やがて最高のパートナー、そして最強のライバルに! ふたりの熱く眩い3年間をあますことなく描いた、胸熱スポーツコミック。

EXTRA INTERVIEW

――『しゃにむにGO』はこれまでのキャリア史上最長の作品になりました。
羅川 『しゃにむにGO』は『赤ちゃんと僕』のあとで重圧というか、重荷を背負った状態で連載を始めたので、当初は本当にしんどかったです。でも、だからこそ自分がそれを打ち破らなきゃ、何かチャレンジしなきゃいけないなとも思っていました。
――それでスポーツマンガを描くことに。
羅川 そうです。少女マンガって、多くは学園ものや家庭ものじゃないですか。自分がそういう話しか描いてないときはそれで大変だと思っていたんですけど、スポーツマンガを描いてみたら、ネームを考えるのが大変とかじゃなくて、もう絵を描くこと自体が大変なんですよ。そのうえ、女性の読者はスポーツだけを読むのが苦痛なんだということがわかってきて、物語の中にスポーツだけじゃなくキャラクターの心情や私生活、恋愛とかも全部入れて描かなきゃいけないとなったら、それはもう大変で! 私はテニスが好きなのでテニスの試合を描きたかったんですが、途中から編集者さんに「試合はあまり描かないでくれ」といわれて。
――えっ、そうだったのですか!?
羅川 どれだけ試合をまじめに描いても女性の読者は読まないから、むしろあまりわからないように描いて、なんかすごそうだなって思われるくらいがいいと。とはいえ、私としては「そんなわけないじゃない!」という思いもあって。そんな風に決め付けてしまったら、今後誰かほかの方が少女マンガでスポーツものを描こうとしても、スポーツを描き切れないかもしれない。そういう前例を作ってしまうのは嫌だと思ったので、スポーツというものをしっかり描いたうえで、読者もちゃんと読めるよっていうものを残しておきたいという気持ちがありました。だから、少しだけえらそうなことをいうと、『しゃにむにGO』は、「少女マンガのスポーツものってこうだよね」と決め付けてほしくないという思いと、今後スポーツマンガを描きたいという作家さんが現われたら、自分と同じような気持ちを継いで挑戦してもらいたいなという思いで描きました。
――そのお気持ち、『しゃにむにGO』を読んだ人には伝わっていると思います。
羅川 今のところ誰も継いでくれないんですけどね(笑)。
しゃにむにGOの詳細をみる

ページトップへ

ましろのおと コミックス情報

  • ましろのおとを読む
  • ましろのおとを読む
  • ましろのおとを読む
  • ましろのおとを読む
  • ましろのおとを読む

その他ましろのおと電子版はこちらから

勝手に読書伝説 バックナンバーはこちら

©羅川真里茂/講談社

ページの先頭へ