作者: 連城三紀彦
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著者はあとがきで、この十の物語を書くことになった動機について書いている。「愛という言葉を解説するのに、僕にはこの十の物語と本一冊分の字数が必要だったのです。四十近い年齢で漠然と考える恋愛には、恋の甘美さはなく、愛のほうも純粋にそれだけというわけにはいかず、生活の雑事の埃と煤にまみれています。(中略)その埃と煤のほうを書きたかったのだとも思います」(後略)」愛という言葉に、誠実に向き合った著者が出した誠実な答えが、この短篇集にある――。 + 続きを読む
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