作品内容
可憐に咲く四季折々の花が、そっと心に寄り添う
春近し裸木ゆらし吹く風が早く芽吹けと生命を送る
患者きれふと戻りたる控え間にそっと置かれし湯気たつ茶碗
日だまりに孫吹くリコーダーくぐもりぬヒヨドリも聞く冬の窓越し
(「歌の部」より)
医師として、多くの命と向き合ってきた著者が綴る、日常、仕事、家族のこと――。
本書では、著者が趣味で書き溜めた短歌を一冊にまとめた。季節の歌や旅の歌に加え、
本業である医者としての日常や患者との出会いなどに関する歌も収められている。
300首余りの短歌に、温かな生命が宿る。
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