作品内容
20世紀初頭、セイロン(現スリランカ)建国の父ダルマパーラをして「欧米人のアジア人に対する差別的偏見をなくし、植民地支配という悲劇の中にあるアジアを救うことこそ日本の役目なのだ」と言わしめた日本は、2年後、日露戦争勝利によって“白人絶対優位”という幻想から非白人種を解放したのだった。
日本人が知らない世界史の真実とは。 ☆当時のスリランカを語った数少ない本。
<まえがきより>
私達日本人が「スリランカ」についてまず思い出すのが、旧国名であるセイロンの名を冠したセイロンティーでしょう。ですが、真に我々日本人が忘れてはならないのは、昭和二十六年サンフランシスコで開かれた対日講和会議における故ジャヤワルダナ初代セイロン(現スリランカ)大統領の演説です。
大東亜戦争(第二次世界大戦)で敗戦した日本に対する処遇を決定するこの会議において、セイロンは対日賠償の一切を放棄しました。そして「憎悪は憎悪によって消え去るものではなく、ただ愛によってのみ消え去るのである」という、お釈迦様の教えを引用して日本の完全に独立した自由を訴え、世界中の人々を感動させました。これが会議参加国代表らを動かし、日本の自主独立への道を開いてくれたのでした。
現在でも、スリランカとの外交の席上ではこの話が取り上げられるといいます。
ところが、ほとんどの日本人は、自国にとって非常に重要なこの歴史的事実を知りません。学校などで教えられてこなかったからです。
それは、俗に東京裁判史観と呼ばれているアメリカのプロパガンダにより、終戦直後から数年間にわたり全日本国民が、ラジオや新聞を中心に、雑誌やテレビなどで洗脳され、その後徹底して学校という現場において「日本=悪」の洗脳教育がなされ続けた結果であるのです。
だからいまや日本人の大半が「日本人は悪かった」と信じて疑いません。私達はなぜジャヤワルダナ氏がこのように日本擁護の演説をしたのかということも知らず、ひいては、なぜスリランカ人が日本に対して親愛の情を示してくれるのかも理解していないのです。この事を知らないのは日本人として大きな不幸です。
小社取材班が訪れたスリランカには、私達が見失ったものがありました。大東亜戦争という時代を正しく評価している人がまだ存命であったので、話を聞くことが出来たのは幸いでした。
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