作品内容
鬼門とは何か? 迷信か、風評か、家相が伝承した鬼門の謎に迫った書。今日、忘れ去られている伝承家相の意味を論理的に解析、さらにメタファーとして作用している鬼門の謎の解明を試みた書。「鬼門」という意識は平安時代ごろから日本人の深層意識に根深く伝承し、その影響は神社や寺院の建築造営、土地の仕切り方などとともに、広く住居の設計にまで及びます。今では単なる昔の迷信と片づける向きもあり、また建築や住居環境はここ数十年、画期的な変化を遂げており、かつての家相で問題とされたことが、論理的には意味がないことは確かです。伝承家相の大半は、意味が薄い迷信であると唱えたのは、建築家で家相家の、多田花外師でした。本書は、多田氏の家相説を太陽(火)と水回り(湿気・水)の問題に抽象し、現代で適切な家相のあり方を説明していますが、ただ一つ、どうしても論理的には解明できない問題をピックアップしました。それが「鬼門」です。鬼門は迷信かというと、そうとは言いきれない問題があり、それは日本人として生まれた限りは無視できない謎です。確かに鬼門に問題がある家には問題が多く発生します。建築や土地では、鬼門は守らないと安定した生活が得られません。そういう心の問題が、日本人の深層意識にあります。それはどこから来たものなのか? ところが、鬼門の常識を破った神社がありました。九州、高千穂の秋元神社です。この神社の御祭り神は「国常立尊」、記紀神話の独り神です。鬼門の問題は記紀神話の神にまで及び、さらに鬼門とは恐れるだけのものではないことが見えてきます。鬼門方位のエネルギーには意味がありました。使い方次第なのです。鬼門の秘密を知ると、神社の観方が変わります。
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