作品内容
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動物の嗅覚は、1)食べ物を選別する、2)その場の環境の変化を察知する、3)敵や異性、仲間を選別するなどの役割を担っています。中でもイヌは、匂いの世界を夢見ることにたけています。また、イヌの嗅覚は人の何千倍、何億倍ともいわれる無類の鼻ききとして知られています。本書は、生き物が苦手の生理学者である著者が、イヌの嗅覚研究の第一人者に至るまでの苦闘の歴史と、長年の研究生活をもとにイヌの嗅覚にまつわる研究の実情やエピソード、将来への夢を語っています。最近の研究成果の1つは、福祉犬を育成しているNPOと協力して、がん患者特有の呼気の匂いを「がん探知犬マリーン」に嗅がせ、「がん」を発見することに成功しました。イヌの嗅覚を用いて「がん」の早期発見と嗅診の可能性、さらには「匂いセンサー」開発への展望を拓く端緒になるものと期待されています。匂いにまつわる嗅覚には、生命保持につながる様々な情報が含まれています。匂いの不思議さと重要さを再認識させられる最新情報が、読む人を魅了するでしょう。
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