作品内容
しげみは慎ましやかな逆三角形を見せていた。その下に愛らしいふくらみと、わずかにほころんだクレバスが、すけて見えた。おれは手でしげみを撫で上げた。人生至上の一瞬というのは、こういうときのことを言うのだ。ゆるんだクレバスの間に肉の芽を包んだ莢と、ひとつに寄り合って蕾のような形になった花びらの先が、小さくのぞいていた。おれはクレバスを静かに開いた。赤い芽は莢からつややかな頭をあらわし、蕾は二つに分かれて、花びらになった。おれはクレバスを下から上に、ゆっくりと舌で掃いた。花びらを一枚ずつ交互に唇で捉えた。明子が切なげに喘いだ。赤い芽を舌でさぐりあてた。
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