作品内容
★さらうように私を連れ出した男性が、まさかアラブの王子様だったなんて。★マリエルは写真の中の男性から目が離せなかった。男らしく、見たこともないほど魅惑的。いったい誰だろう?彼女はうっとりと見つめ続けていたが、ふと我に返り、自分が重大な任務を負っていたことを思い出した。今いるのは、パリの怪しい探偵事務所の所長のオフィス。いとこの会社の企業秘密を盗んでいるのがこの事務所だという証拠をつかむために忍び込んだのだ。見とれていた男性の写真は、パソコンをのぞいているときに、どこかからメールで送られてきたのだった。ぐずぐずしていると危険だ。いつ所長が戻ってくるかわからない。必要な情報を集め、脱出しようとした彼女は、息が止まりそうになった。写真の男性が目の前に立っている! しかも、泥棒のような格好で。男性はいきなりマリエルの口を手で覆い、ささやいた。「声をたてたら、絞め殺す」
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