作品内容
月明かりに照らされて、古びた家のシルエットが闇に浮かぶ。ゲイブは今、その家の鍵のかかった扉を前に呆然としていた。たしか妹は開けておくと言っていなかったか……。この家の持ち主は、ゲイブの妹が運営する財団に家と家財のいっさいを寄付するという遺言を残して世を去った。おかげで、こんな遅くに家の状態を調べに来るはめになったのだ。なのに玄関ばかりか一階の窓すべてに鍵がかかっているとは。悪戦苦闘の末、ようやく二階の窓から入ることはできたが、そこでゲイブは、何者かが闇に潜む気配を感じ取った。すぐさま、姿の見えない侵入者を追いつめ、激しくもみ合う。そして気づいた。自分が組み敷いているのは間違いなく女だと!それが、のちに忘れられない女性となるメラニーとの出会いだった。
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