作者: 南原幹雄
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四谷塩町の老舗箪笥問屋・大野屋の内儀おつやは、暗闇坂で腹痛を覚えていたところ、若い男に送ってもらった。市村吉之助と名乗った男は、おつやを舞台に誘う。売れない芝居役者の言葉に、おつやはまだ自分が女として見られているという華やいだ気持を取り戻した。一度だけと、おつやは吉之助が出ている中村座へと足を運んだが……(「暗闇坂十三夜」)。女の哀歓と情艶がにじむ十一篇。(『江戸の女坂』改題) + 続きを読む
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