作者: 阿部牧郎
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綾子の足もとにうずくまった。両足を近づける。くちづけにいった。綾子は大きな声をあげる。おどろきと歓喜のいりまじった声である。こんなことまでしてくれるの。綾子は口走った。夫とのあいだでは久しく絶えていた行為のようだった(「いつか見た女」)。上司と人妻臨時社員とのつかの間の情事を描いた表題作ほか、中年男性の願望とそれに答えてくれる女性たちとの様々な性を激しく、優しく描いた官能集。+ 続きを読む
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