作品内容
監察医のもとに運ばれてきた猟奇殺人の被害者は、玲奈の友人である英美の先輩女医だった。
遺体を見た瞬間、妙な胸騒ぎを覚えた玲奈は、すぐに携帯を取り英美にコールしたが、
『おかけになった電話番号は、現在、電波の届かない場所にいるか──』というアナウンスが流れた。
「まさか、英美……」
「監察医の仕事は、死者の最後の言い分を聞いて、ゆっくり眠らせてあげることだ」。
千葉圭一郎の言葉に感銘を受け、監察医になった栗山玲奈。
東京都監察医務院中野分室の解剖台の上にある遺体は、彼女になにを語りかけるのか。
新進気鋭のミステリ作家、矢月秀作の手による、本格ミステリー。+ 続きを読む