作品内容
顔の上半分がなくなった死体。その状況は、散弾銃による自殺を示唆していた。しかし、近くに散弾銃はない。となれば、他殺か。しかし他殺であるならば、なぜわざわざ被害者を眠らせて接射したのか。また、顔の上半分を吹っ飛ばすには、どうやって撃てばいいのか。
「監察医の仕事は、死者の最後の言い分を聞いて、ゆっくり眠らせてあげることだ」。千葉圭一郎の言葉に感銘を受け、監察医になった栗山玲奈。東京都監察医務院中野分室の解剖台の上にある遺体は、彼女になにを語りかけるのか。新進気鋭のミステリ作家、矢月秀作の手による、本格ミステリー。+ 続きを読む