作品内容
時代の風をつかむ確かな眼力、読者の胸奥に迫りくるアイロニー。時事川柳を愛し、一般川柳も愛する著者は「川柳さろんGunma」世話人として活躍中。「第一章 宛名書き」「第二章 追われる如く追う如く」「第三章 現代民話集」の3章構成。川柳というフィルターを通して、人間や社会の美しさから醜さまでを著者が暴き出す。ドキリとさせる痛烈な諷刺が小気味よい。シュワシュワと清廉な泡を吐きながら、甘くそして時折ピリリと効かせる、ジンジャーエールのように誰からも永く愛される好著として輝きを放つ。
団塊が団塊のまま老いてゆく
宛名書き様の字だけがうまくなり
君の愚痴ジンジャーエールの味がする
定年の胸にも滾るものがある
カタカナ語その説明もカタカナ語
リストラは完璧だった社も消えた
休耕地いきなり街が生えてくる
折り鶴も羽ばたくでしょう平和なら
倒れても微笑の消えぬ野の仏
笑いとは何かと問えば笑えない
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