作品内容
人間の体内をのぞき、ガンを早期発見したい…。医学界、積年の夢を世界に先がけて実現したのは、30代の若き日本人医師と技術者によるタッグ・チームだった。
昭和24年、東京大学附属病院の副手だった宇治達郎氏(30歳)は、死因の上位を占める胃ガンを早期発見するため、わずか直径12ミリのカメラの開発をオリンパス光学に持ちかけた。欧米でも不可能と思われていた超小型カメラの開発――宇治医師と技術者は、常識を超えた発想で難問に挑んでいった。
レンズは顕微鏡磨きの名人に依頼、フィルムは市販の35ミリを6ミリ幅に切って利用。そして、何よりも一番難しかったのは、5ミリの電球だった。職人が何度も改良を繰り返し、ようやく完成した。
敗戦間もない日本で、斬新な発想と、何にでも挑戦しようとする町工場との連携を武器に、世界が称賛する「胃カメラ」を完成させた男たちの熱気を伝える。
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