作品内容
僕の子供時代からの好物はレトルトカレーだった。でもいまは違う。僕がプレゼントしたルクルーゼの鍋で煮込んだ志穂の作るカレーじゃなきゃダメだ。志穂とは親の金で入った医科大学4年の合コンで出会った。普段口下手な僕だけど、彼女とはなぜか会話が盛り上がり、飲めない酒を過ごした僕は、志穂に介抱されるはめに。その夜、2次会をキャンセルした2人は、振り出した雨に誘われるように彼の部屋でセックスをした。優しく不器用な僕はなぜ志穂を愛し、失ってしまったのか……。かわいく切ない若い恋が、詩のような美しい文章で語られて、読むものの涙腺をキュンと緩ませる。ル・クルーゼ3部作の1。
+ 続きを読む