作品内容
マンションのエレベーターホール、午前零時。
「こんばんは」
「あらッ、お帰りなさい」
男と女を意識するような、互いの視線だった。
エレベーターという密室にいることを、紀美子は急に意識した。
「ダメ……こんな所で」
腕の中で紀美子の身体を向き直らせると、唇を激しく重ねてきた。
「ん……」
「今から、ホテルへ行こうか」
「ダメよ、そんなこと」
「じゃ、携帯番号、教えて」
「教えてくれなかったら、このエレベーターの中で……」
と、香坂が、紀美子のスカートの裾の中に、手を入れた。
女流官能作家「一条きらら」の単行本未収録オリジナル短編小説第二弾。一流作家ならではの「きららワールド」へお連れいたします。
+ 続きを読む