作品内容
リジーは長年ティレルを慕ってきた。相手は名だたる伯爵家の長男。決して実らぬ恋とわかっていた。それでもせめて美しい姿を見せたいと、伯爵邸での仮面舞踏会の夜、彼女は懸命に着飾った。舞踏室で海賊服の男性に声をかけられ、見るとそれはティレル本人だった。驚くリジーに迫り、彼は言った。「深夜12時に、西の庭で待っている」信じられない誘いに舞い上がるリジーだったが、誤ってドレスを汚してしまった姉に衣装を交換するよう頼まれ、帰宅を余儀なくされる――まさか姉がティレルとの約束の場所へ向かうなど知る由もなく。
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